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【第二部完】地球に落下するコロニーごと異世界に転移した俺は、次に何をすればいいんだ  作者: 狼二世
【第2部】ミッション22 第二次巨大構造物地球落下阻止
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313/315

22-21


 山間の街から鉄の船が浮かび上がる。

 ローターが空を切り裂く音よりも大きく、地上からは別れの言葉が吹き上がってくる。

 赤龍が祝砲代わりの火を吹き、その旅路を見送った。


 ウォール・マナタイトを返還後、ユートたちは一晩の休息の後に北へと針路を向ける。

 クレオとパトラはもう少し遊びたいと駄々をこねたが、ユートたちにはまだやるべきことがすることが残っている。

 目的地はエドン。

 支援者であるウエに、報告をする必要があった。


◆◆◆


 ワンドガルドの南東部の空を縦に飛ぶ。行く手を阻むもののない旅路は快適で、昼過ぎにはエドンが見えてきた。

 何度も着陸をして草の倒れた平野に着陸をすると、ファイターユニットからユートたちが降りてくる。

 ユートをはじめとして、クラマとアキヤマ、それにアパシアとクレオとパトラの大所帯であった。


 皆が降りたことを確認すると、ユートを先頭に丘を越える。

 水田の合間の道を歩き、エドンと広野とを隔てる城門の前に。そこには、見知った門番の顔があった。

 門番はユートの顔を見ると、手を上げて気さくに声をかける。


「やあ、久しぶりだね、ユート君……それに、ライカさんもか」

「えっと、お久しぶりです」


 まだどこかぎこちなく、少し困ったように眉を曲げていた。


「久しぶり。ユート君が言っていたように、今度はちゃんと一緒だったね……それに」


 ユートの後ろの面々を見て、何とも言えない顔をした。


「何というか、友達が増えたみたいだね」

「ええ、嬉しいことです」

「うん、そうだね」


 そして、一人一人に挨拶をする。

 そして、最後に一人、新顔のシルリアを見る。


「君は初めて見る顔だね」

「……はじめまして」

「はじめまして。ようこそ東の果てのエドンへ!」


 そして、門の先へと迎え入れた。


 城門を潜った先にはエドンの街並。 

 雑多で、にぎやかで、彩り豊かな街並みが続いている。

 シルリアは思わず息をのむと、周囲を見渡した。


「ブランシュよりも、ずっと人が沢山いる」


 それに、クレオとパトラがうんうん、と首を縦に振る。


「驚くよね~、あたしも北から来た時驚いたもん」

「うん、それに物も沢山ある」


 まだ昼間で閉まっている店も多いが、物の通りは未だに多い。

 ブランシュでは見られない、北からの輸入品も多く見れれた。


「……いっぱい匂いが混ざってて、なんだか変な感じ」

「ブランシュの花の香りに慣れていると違和感がありますものね」


 シルリアはずっと周囲をきょろきょろと見ながら歩いている。

 目を離せば、ふらふらとどこかに行ってしまいそうだ。


「さて、一度家に帰りたいところだが、面倒ごとは早く済ませるに限るな。マツディラの小僧に顔を出さんと」


 アキヤマのその言葉に、皆はひとまず最初の目的地を目指すことにした。


◆◆◆


 東区から橋を渡って中央区へ。

 珍しい物を見つけては足を止めるシルリアを引っ張るように進み、エドンの庁舎へ。

 庁舎について受付に話を通すと、ユートたちはすぐにウエの執務室へと通された。


 ウエはユートの顔を見ると、待ちかねたかのように話始めた。


「昨夜のうちにギルドから報告は上がっている。ユートをはじめ、皆、よくやってくれた」


 なんとも早い話に、思わず顔を見合わせた。


「ほんと、いろいろあって疲れたぜ。暫くはアタシも休みたいぜ」

「ははは、後始末こそ大変なのだぞ」

「げっ……」


 露骨に不満そうな声をあげるクラマを無視して、ウエは話を続ける。

 次は、シルリアの顔を見る。


「さて、君がシルリア、かな」

「はい」

「話は聞いている。君の処遇については、アパシア達と同じようにアステアとユートの庇護下に入ることになるが……まあ、難しいことを言ったところで、ユートの障害にならない限りは自由だと思ってくれ」


 そして、椅子から立ち上がるとユートの前まで歩いていく。

 立ち止まり、少年の顔を見ると、優しく肩に手を置いた。


「改めて、これからも頼むぞ、ユート」


 ユートはただ、黙って頷いた。

 肩に置かれた手からは、熱とともに確かな期待が乗せられている。

 不思議と、そこに重さを感じていた。

 そんなユートに、アキヤマは言う。


「まったく、こいつが無茶を言うならおれが相談に乗るぞ。遠慮なくいえ」


 鷹揚に笑うと、わざとらしくウエに視線をおくった。


「アキヤマ先生にそう言われると、かないませんね」


 ウエはわざとらしく肩を竦めた。

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