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「さあ、どうする?お前の切り札はもう終わりか?」

「くそっ!」

カウザは壁に飾られていた剣を手にした。だが、剣術で現騎士団長に勝てるとは思っていない。先ほど、シュトルツがカウザに背を向けた瞬間が最大の好機であったのに、カウザはその瞬間を逃してしまった。

『小僧、聞こえるか』

その時、カウザの耳元で知らない男の声がした。カウザは驚き、周りに顔を向けるがこの部屋にはシュトルツしかいなかった。

『変な動きはするな。気づかれる』

「よそ見をするとは余裕だな」

「くっ!」

シュトルツは容赦なくカウザへと斬りかかってきた。カウザは何とか受け身を取る。

『そのままあっちの壁際まで誘導しろ。そうすれば何とかしてやる』

「ちっ『何の声かは分からないが、従ってみるしかねえ』」

カウザはシュトルツの剣を受けながら壁へと足を動かす。その後シュトルツの位置と壁との距離を確認すると詠唱を始める。

「『我が身に宿る火の意思よ、我が命に従いその力を目覚めさせよ。曝!』」

カウザはシュトルツの少し後ろに向かって魔法を放った。その魔法は机へと向かい爆発する。その風圧によりシュトルツの体は壁際まで飛ばされた。

「ふっ、残念だったな。と言っても当たったところでお前の魔法程度では崩れんよ」

「よくやった小僧」

その時、先ほどした声がより鮮明に聞こえた。見ればカウザの隣には黒いローブを羽織った少し背の低い男性が立っていた。

「『水龍よ、縛れ』」

その男がとても短い詠唱を唱えると黒いオーラと共に龍の形を模った水がシュトルツへと向かった。その龍はシュトルツの両手足にまとわりつくと、シュトルツの体を壁へと固定した。

「あなたは…魔女?」

「ああ、俺はたしかに魔女だ」

現れた男は長く美しい黒髪に、黒曜石のように煌めく黒い瞳を持っていた。その風貌は先日知り合った魔女にそっくりである。だがその声音は紛れもなく男だった。

「なんだこの魔法は!外れん!」

「暴れても無駄だ、その水龍には先ほどお前が砕いた月の剣のかけら入れられている。お前の魔力は無効化される」

シュトルツがどれだけ暴れようとも、水龍はびくとも動かない。やがてシュトルツは抵抗するのをあきらめ、魔女を睨んだ。

「こんなところまで邪魔をしにくるとは…」

「他人の身を借りてるやつが何を言っている」

魔女はシュトルツの左手から赤い石のついた指輪を引き抜いた。魔女はその石を見つめた後、シュトルツの方を見た。

「…っ」

「赤の神はこの命の源ともいえる赤い石を取れば消滅すると記憶していたが…そうではないとするとまだその身に隠しているか…『共鳴』」

魔女が使った『共鳴』は水属性の魔法で探知魔法の1つだ。魔法使用者が対象とみなしたものと同類、あるいは近似するものの場所を探すことができる。シュトルツの胸元からはその反応があった。魔女が手を伸ばそうとしたと同時にシュトルツは叫んだ。

「カウザ!俺の目を見ろ!」

「っ!」

「ちっ!」

カウザは長年の教育から咄嗟にシュトルツの瞳を見てしまった。その瞳は普段の色よりも濃く赤に染まっていた。その後黒い何かが見えたと同時、カウザは意識を失った。


「…カウザ、遅いね」

その頃、アマンダの魔法屋ではヒカリたちがカウザの帰りを待っていた。大変だった片付けも終わり、明日は休日ということで軽く打ち上げのような事をしようということになったのだ。アマンダもまだ本調子ではないため、固まっていた方が安全だろうということでもあった。

「まあ、カウザも帰るのは久々でしたでしょうから、家族たちと積もる話もあるのでしょう」

「だとしてももう外は真っ暗だよ?片付け終わった時はまだ日が出てたのに…もしかして何かあったのかな?心配だよ…」

カウザはサジェスやレーブと共に王子の護衛を任されるほど武術、特に剣術に秀でている。昔から一緒にいる3人は心配など杞憂だと思ったが、ヒカリは心配で気が気でない。

「それでしたらカウザさんの居場所を調べましょうか?何か私物などがあれば私の探知魔法で簡単にお調べできますが」

「それなら…」

アマンダの提案にヒカリはカバンから赤色のお守りを取り出した。不格好に縫われた手のひらサイズのそのお守りには魔法陣がついておりカウザの守護魔法がこめられていた。

「この前の守護魔法の授業の時にカウザと作ったものを交換し合ったんだ。もう2週間くらい前に作ったものなんだけど…アマンダさん、これでも大丈夫ですか?」

「はい、それにはカウザさんの魔力が残っているので大丈夫ですよ。少し貸していただけますか?」

サジェスはアマンダへとお守りを渡した。アマンダはこの王国の王都が描かれている地図を取り出すとその地図の中の魔法屋の位置へとそのお守りを置いた。そしてその残っている魔力へと意識を向ける。

「『共鳴』」

アマンダが詠唱をするとおかれたお守りから波紋が広がるように地図がざわりとうごめいた。そしてそこを起点にして徐々に水がしみだし地図上で1つの線を示し始めた。

「この魔法はこのお守りに残った魔力と同じものを探すようになっています。このお守りとつながった先にカウザさんがいるはずです」

ストックがなくなってきたので更新頻度落ちるかもです(。。)


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