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オジさんに恋した三神さん ~45歳の鉄壁インフラエンジニアは、25歳ギャルからの恋心を「システム障害」と言い張って認めない~  作者: Jin-生-Kaiki
要件定義3:運用フェーズとピアツーピアの確立

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Logfile2_037:非同期通信のプロトコル(LINEの頻度)


 あのサーバー室でのドタバタな告白と、初めての休日デートを乗り越え、あたし、三神ミソラ(25)と御八代一也(45)は、めでたく正式な恋人同士(共同セッション確立)となった。


 ……なったのだが、迎えた月曜日の昼休み。あたしは社内食堂でスマホの画面を睨みつけながら、深いため息をついていた。


 「どうしたのミソラ。初デートも大成功して、ラブラブ絶好調なんじゃないの?」


 向かいの席で、莉奈が唐揚げ定食を頬張りながら呆れたように聞いてくる。


 「デート自体は最高だったよ!でもね、その後の『通信(LINE)』に致命的なエラーが発生してるの……」


 あたしはスマホの画面を、莉奈と栞に向けた。


 『(ミソラ)おはようございます!今日もいい天気ですね♡昨日は楽しかったです!』


 『(御八代)おはよう。昨日の実地検証は有意義だった。天気パラメーターも良好だ。本日の業務もよろしく頼む』


 『(ミソラ)今日のお昼はオムライスにしました!御八代さんは?』


 『(御八代)こちらは社内食堂のB定食だ。栄養価のバランスは適正値内に収まっている』


 「……なにこれ。上司への業務連絡?」


 莉奈がドン引きした顔で呟く。栞も苦笑いしながら首を横に振った。


 「御八代さん、絵文字やスタンプを一切使わないし、何より返信が『要件の回答』だけで終わっちゃうんだよね」


 「そう!あたしはもっと、『オムライスいいなー』とか『午後も頑張ろうね』みたいな、意味のない雑談のキャッチボールがしたいのに!」


 あたしが机に突っ伏すと、栞が冷静に分析を始めた。


 「御八代さんの世代……というか、理屈っぽいエンジニア気質の人にとって、LINEみたいな非同期通信ツールは『情報伝達の手段』に過ぎないんだと思うよ。ミソラちゃんみたいに『感情や時間を共有するツール』って認識してないから、キャッチボールが続かないんだよね」


 (情報伝達の手段……!確かに、あのオジさんの文字、無機質なログデータにしか見えない!)


 「でも、恋人同士ならもっと繋がってる感が欲しいじゃん……。これじゃ、ただの業務報告だよぉ」


 25歳のデジタルネイティブ世代と、45歳のレガシーエンジニア。交際が始まって早々、あたしたちは『通信プロトコル(連絡の価値観)』の不一致という、年の差の壁にぶつかっていたのだった。


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