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オジさんに恋した三神さん ~45歳の鉄壁インフラエンジニアは、25歳ギャルからの恋心を「システム障害」と言い張って認めない~  作者: Jin-生-Kaiki
要件定義2:『親心』への逃避と、サーバー室での管理者権限(スーパーユーザー)移行

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Logfile_032:スーパーユーザーへの昇格

 「……御八代さん」


 あたしは彼の胸に顔を埋めたまま、嬉しさで胸が熱くなるのを感じていた。


 「俺は、面倒くさい男だぞ。理屈っぽいし、休日は出かけないし、気の利いたコマンド(言葉)一つ入力できない」


 抱きしめる力を少しだけ緩め、御八代さんが自嘲気味に呟く。


 「知ってます。でも、なんだかんだ休日は一緒にカフェに行ってくれましたよね」


 「……あれは三本木に脅されたからだ」


 「あたしが神楽坂くんにタレを拭かれそうになった時、トング握りつぶして怒ってましたよね」


 「……あれはただのセキュリティインシデントの警告で……」


 「まだ言い訳するんですか?」


 あたしが胸ぐらを軽く引っ張って上目遣いで睨むと、彼は観念したように息を吐き、あたしの頭に、ポンと大きな手を乗せた。


 「……すまない。俺のシステム要件(性格)は、そう簡単に書き換えられないらしい。だが……君が俺の人生(システム)にアクセスすることを、俺の全権限をもって許可する」


 (アクセスを許可する。……つまり、付き合ってくれるってことだよね!?)


 回りくどすぎる告白の言葉に、あたしは吹き出しそうになりながらも、最高の笑顔で頷いた。


 「はい!管理者権限(スーパーユーザー)、しかと受け取りました!」


 ーーー


 サーバー室から出てきたあたしたちを待ち構えていたのは、腕を組んでニヤニヤしている三本木課長だった。


 「おー、随分と長時間の『空気の入れ替え』だったな。で、どっちのサーバーがダウンしたんだ?」


 「……徳大。うるさい。業務に戻れ」


 御八代さんは耳の先まで真っ赤にしながら、早足に自席へと向かう。でも、その足取りはどこか軽く、いつも猫背気味の背筋がピンと伸びているように見えた。


 「三神さん、よくあの面倒くさいファイアウォールぶち抜いたな。あいつ、さっきまで神楽坂からの相談で本気で死にそうな顔してたんだぜ」


 「ふふっ、あたしを誰だと思ってるんですか。どんなクレーマー(理屈)も笑顔で論破する。トップオペレーターですよ」


 「違いねぇ。……あいつのこと、よろしく頼むわ」


 「はいっ!任せてください!」


 御八代さんの同期の悪友から粋なエールを受け取り、あたしはスキップしそうな足取りでカスタマーサポート部のフロアへと帰還した。


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