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オジさんに恋した三神さん ~45歳の鉄壁インフラエンジニアは、25歳ギャルからの恋心を「システム障害」と言い張って認めない~  作者: Jin-生-Kaiki
要件定義2:『親心』への逃避と、サーバー室での管理者権限(スーパーユーザー)移行

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Logfile_026:不適切なリソース割り当て

 「……というわけで、ここからは俺がこの熱源(グリル)のプロセスを管理する。君たちはそこで待機していなさい」


 御八代さんはあたしたちの間に座り込んだまま、ぐにゃりと曲がったトングで器用に肉を裏返し始めた。完全に、あたしと神楽坂くんの『会話の導線』を物理的にブロックしている。


 (……ウケる。自分で神楽坂くんを推してきたくせに、いざ仲良くしてたら我慢できなくて割って入ってくるとか、最高にダサくて可愛いんですけど!)


 あたしは内心でガッツポーズを決めつつ、さらに追い打ちをかけることにした。


 「えー、でも御八代さんは『バックグラウンドで見守る』って言ってたじゃないですか。お肉は神楽坂くんが焼いてくれるから、御八代さんは三本木課長たちのところでビールでも飲んできてくださいよ」


 「……」


 「そうですよ御八代さん!若いもん同士でやりますから、休んでてください!」


 空気を読まない神楽坂くんの無邪気な追撃が、御八代さんの急所にクリティカルヒットした。


 「……『若いもん同士』だと?」


 御八代さんの声のトーンが、さらに一段階低くなる。


 「そうだ。俺は45歳のレガシーシステム。君たちのような最新のOS同士で通信するのが、最も効率が良い……そう言ったのは俺だ」


 御八代さんはブツブツと呪文のように呟きながら、焼き上がった大量のお肉と野菜を、なぜかすべて『あたしのお皿』にドサドサと積み上げ始めた。


 「ちょっ、御八代さん!?こんなに食べられないですよ!」


 「エネルギー(カロリー)を摂取しろ。若いハードウェア(神楽坂)と通信するには、膨大なリソースが必要なはずだ。ほら、食え。もっと食え。俺が焼いた肉だ。安全基準はクリアしている」


 「いや、だから量がっ!」


 「あ、御八代さん!俺のさらにもお肉お願いします!」


 神楽坂くんが明るく皿を差し出すと、御八代さんは一瞬だけ冷たい目を向け、焦げて炭のようになった玉ねぎをポンと乗せた。


 「……神楽坂は、自力でリソースを確保しろ」


 「えっ!?嘘でしょ御八代さん、俺だけ炭!?」


 完全に、公私混同の極みだった。親心だのメンターだのと高尚な理屈を並べていたインフラの神様は、今やただの『嫉妬に狂った大人気ないオジサン』に成り下がっていた。


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