↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
オジさんに恋した三神さん ~45歳の鉄壁インフラエンジニアは、25歳ギャルからの恋心を「システム障害」と言い張って認めない~  作者: Jin-生-Kaiki
要件定義2:『親心』への逃避と、サーバー室での管理者権限(スーパーユーザー)移行

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

19/39

Logfile_019:エラーコードの再定義(親心)

 「……徳大。結論から言うと、俺のシステムは正常だった」


 週の半ば。終業後のインフラチームのデスクで、御八代一也は深く息を吐き出しながら、悪友である三本木に向かって堂々と宣言した。手元には、ここ数日の自分の心拍数や思考リソースの低下データをまとめた、無駄に精密なグラフ(手書き)が置かれている。


 「は?お前、月曜日の朝に『完全に汚染された』とか言って頭抱えてただろ」


 「あれは一時的なパニックによる誤診だ」


 御八代は黒縁メガネをくいっと押し上げ、極めて論理的なトーンで語り始めた。


 「冷静に考えてみろ。俺は45歳、彼女は25歳。20歳差という年齢差は、俺のメインロジックにおいて『恋愛対象』として定義するにはあまりにも非現実的だ。そんな致命的なバグを、俺の堅牢なシステムが許容するはずがない」


 「お、おう……?で、その結論は?」


 「俺が彼女に対して抱いていた胸の過熱や、物理的な危険から守ろうとする行動。……あれは『親心(メンターシップ』だ」


 「……は?」


 「彼女はコールセンターにおいて、極めて高いSLA(サービス品質保証)を維持している優秀なノードだ。未来ある若手に対する『保護者』および『技術メンター』としての庇護欲。それが過剰に働き、システム側が『恋』というエラーコードを誤って出力していたに過ぎない!」


 見事なまでの論理的飛躍と現実逃避。三本木はしばしポカンとした後、耐えきれずに机をバンバンと叩いて爆笑した。


 「ダハハハハッ!!お前、無理ありすぎだろ!20歳下だから『これは親心だ』って自分に言い聞かせて、理屈で恋心をねじ伏せようとしてんのか!腹痛ぇ……っ!」


 「黙れ!これは最も合理的かつ安全なルーティングだ!明日からは『適切な管理者(保護者)』として彼女に接し、この無駄なシステム負荷を完全に鎮静化させてみせる!」

 (これでいい……これなら、俺の職人としてのロジックは破綻しない!)


 御八代は、新たなファイアウォール(親心)を構築できたことに、一人で深く安堵していた。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。