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オジさんに恋した三神さん ~45歳の鉄壁インフラエンジニアは、25歳ギャルからの恋心を「システム障害」と言い張って認めない~  作者: Jin-生-Kaiki
要件定義1:恋心は『システム障害(バグ)』!?鉄壁の防壁とギャルによる侵入テスト

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Logfile_017:セキュリティインシデント(報告会)

 「……はぁ!?手繋いだ!?しかもパンケーキの『あーん』付き!?」


 月曜日の朝。始業前のフロアで、莉奈が素っ頓狂な声を上げた。


 「しーっ!莉奈、声が大きいってば!」


 「いや、無理でしょ!あのボサボサカーディガン相手に、休日の1回戦でそこまで突破したの!?どんだけ優秀なハッカーなのミソラ!」


 莉奈がバンバンと机を叩く横で、栞は少し興奮した様子で口元を押さえていた。


 「すごいよミソラちゃん。……でも、よく考えてみて。あの御八代さんが、ミソラちゃんが使ったフォークからパンケーキを食べたってことは……それ、完全に『関節キス』だよ」


 「……えっ」


 「普段、他人の気配すら『ノイズ』って言って遠ざける極度の潔癖(?)エンジニアが、物理的な粘膜接触の痕跡(フォーク)を許容した。これ、セキュリティの観点から言えば、完全にファイアウォールが崩壊してる証拠じゃないかな」


 栞の論理的かつロマンチックな解説に、あたしは顔から火が出そうになった。


 (か、関節キス……!そ、そこまで考えてなかった……!!)


 ーーー


 同時刻。インフラチームのデスクでは、一人の男が頭を抱えて机に突っ伏していた。


 「……終わった。俺のシステムはもう、完全に汚染された……」


 「朝からどうした一也。例の実地調査(デート)、そんなにやばかったのか?」


 出社してきた三本木が、缶コーヒーを置きながら笑いかける。御八代はゆっくりと顔を上げ、クマの酷い目で悪友を睨みつけた。


 「……マルウェア(甘いパンケーキ)を、直接ポート(口)に流し込まれた。しかも、彼女が使用したハードウェア(フォーク)を介してだ」


 「ブッ!!お前、それってつまり……!」


 「さらに帰路において、物理的衝突の危機からノード(三神ミソラ)を保護するため、俺の方から物理的接続(手首ホールド)を確立してしまった。……昨晩からCPU温度が全く下がらない。今朝は彼女の笑顔を思い出しただけで、タイピングを3回もミスした」


 深刻なインシデント報告のように語る御八代に、三本木は腹を抱えて笑い転げた。


 「ダハハハハッ!!お前、もうそれ完全位『恋煩い』以外の何物でもねぇよ!!諦めろ、お前の負けだ!」


 「負けてたまるか!!これはただの局地的なバグだ!俺の職人としての誇りにかけて、必ず正常な状態(平常心)にロールバックしてみせる……!」


 意地を張る45歳のエンジニアだったが、その声にはもはやかつての鉄壁の覇気は残っていなかった。 


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