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オジさんに恋した三神さん ~45歳の鉄壁インフラエンジニアは、25歳ギャルからの恋心を「システム障害」と言い張って認めない~  作者: Jin-生-Kaiki
要件定義1:恋心は『システム障害(バグ)』!?鉄壁の防壁とギャルによる侵入テスト

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Logfile_013:デプロイ前のチューニング

 「……というわけで、明日の『実地調査』なんだけど、服はどうするべきか」


 金曜日の夜。あたしは自室のベッドに寝転がりながら、スマホの画面に向かって真剣に問いかけていた。画面分割されたビデオ通話の向こうには、すっぴんでパック中の莉奈と、お風呂上りで黒髪を下ろしている栞がいる。


 『いや、実地調査って言い張ってるのあのオジさんだけだからね?普通に休日のデートでしょ』


 莉奈が呆れたようにツッコミを入れる。


 『でも、ミソラちゃん。この前の表彰式のスーツ姿、御八代さんにすごく褒められたんでしょ?だったら、いつもより落ち着いた服装の方が好感度高いんじゃないかな』


 栞の的確な分析に、あたしは唸った。


 「だよねぇ。御八代さん、あたしの普段のギャル服のこと『ノイズが多い』って言ってたし。かと言って、休日のカフェにスーツで行くのも変だし……」


 クローゼットを睨みつける。御八代さんの処理能力(思考リソース)を圧迫しすぎない程度にノイズを減らしつつ、でも休日の女の子らしさはしっかりアピールしたい。


 「よし。少し大人しめのニットワンピに、メイクもナチュラル寄りにチューニングする!隙を見せて一気に攻め落とす作戦!」


 『ミソラ、完全に狩る側の目になってるよ……』


 ーーー


 同じ頃。居酒屋のカウンター席で、一人のインフラエンジニアがジョッキを握りしめたままフリーズしていた。


 「……徳大。明日の社外ネットワーク接続(デート)だが、適切なアーマー(服装)の規定が見当たらない。俺のクローゼットには、グレーのカーディガンか、スーツの二択しかないんだが」


 深刻な顔で相談してくる御八代に、三本木は焼き鳥を吹き出しそうになった。


 「お前、マジで言ってんの?45歳にもなって休日の私服ゼロってどういうバグだよ」


 「バグではない、合理化だ。休日は自宅サーバーのメンテナンスと技術書の読書しかしない。外出用の装甲など必要なかった」


 「あーもう、わかったわかった。明日、午前中に駅前の紳士服店に寄れ。俺が適当なジャケットとシャツを見立ててやる。そのまま着て行け」


 「……助かる。このままでは、セキュリティ要件を満たさない脆弱な姿で攻撃(ミソラ)に晒されるところだった」


 「お前、本当にそれデートだと思ってねぇな……」


 三本木は呆れてジョッキを煽ったが、当の御八代は悲壮な決意を固めた目で、虚空の『未知の脅威』を睨みつけていた。


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