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一方その頃
ユーナとカルティエが御披露目パーティに参加させられている頃、マイ・ナスワンの入り口では老騎士と若い夫婦が審査を受けていた。
「名前は?」
「私はユナイト・N・オーエン。こちらは妻のユリと父のバイモ。」
「目的は?」
「嫁と父と温泉の旅行に。」
若い男はそう答える。
「職業は?」
「私も夫も【農民】ですね。義父は【騎士】です。もう剣を取らずに隠居してますが。ノーファという所からやってきました。」
若い女が答える。
「ノーファ?あぁ、王国が新たに開拓をしたという果ての村か。」
門兵はノーファを知っているらしい。
「通してくれんかな?早く温泉に入りたくて仕方がないんじゃ。」
老騎士は急かした。
「ええ、どうぞ。温泉なら中央通りの聖なる湯がオススメですよ。」
責任者らしき男が3人に笑顔で返した。
「あの3人を見張れ。」
「はい?特に怪しい所は無かった筈ですが?」
「若い夫婦のステータスに揺らぎがあった。」
「揺らぎですか?」
「ああ。それにあの若い夫婦、旅をしている割には汚れていないし、非戦闘職と老人で旅なんて明らかにおかしい。」
「そう言われるとそうですね。おや?上から緊急の伝達が来たぞ?」
『【勇者】様が入国しました。また、【魔王】が侵入しました。厳戒態勢を敷きなさい。』
マイナ・スワンは一気に慌ただしくなった。




