ギルドマスターと会話
「それで、クラレアンス嬢、その得体が知れぬ娘御は訳ありですか?」
訳あり?
「彼女は私の友人のユーナです。」
「・・・お前さんの両親は蛮勇ユナイトと黒ユリか?」
え?何で知ってんですか?
(・・・え?2人の異名・・・)
「何じゃと!?本物か!?クラレアンス嬢、この娘とどこで知り合った?」
「リトーナの教会で・・・ノーファは隣村なので」
「確かにオーエン伯の治めるノーファはリトーナと隣じゃな。ユーナ嬢、自分の出自は知っておらんのか?」
出自?
両親が1代限りの辺境伯って事くらいしか・・・。
「そうか・・・ユナイトの阿呆は言ってないんじゃな・・・。知らぬら良い。非常に面倒な事になってしまったな・・・」
面倒な事?
「こちらの話じゃ、気にする事はないぞ?」
「して、ユーナは従魔士なのか?外にいる馬的な生き物は珍妙な形だがキマイラじゃろ?」
そうだ!登録しなきゃ。
「従魔登録ならクラレアンス嬢の故郷のリトーナでもできるであろう?」
リトーナで登録ができなくなった経緯を話した。
「そうか・・・トライアリアの小倅、馬鹿な事をしでかしたのぉ・・・。その煽りを多くの人々がうける事が決まってしまったし・・・。」
煽り?
「ここだけの話にしておくれ。先程、女王陛下と近衛騎士団長がここに来て、『孫娘をトライアリアの領主にするから、その際に冒険者ギルドの支部を創ってくださらない?』と言ってきたのさ。」
それっていい事では?
「問題は山積みでね。まず、私らが孫娘の事を知らない。前領主の小倅は私らの事を嫌っておった。今考えると領外に情報を漏らしたくなかったのだろな。」
「孫娘云々の問題はまだ良いのじゃが、トライアリアはそれなりに遠い。家族がいる者は一緒に行かせたいが、道中は魔物や野盗もいる。」
それなら自分の所の所属の冒険者に護衛を依頼すれば良いのでは?
「そうしたいのじゃが、冒険者達は魔王領に行ってしまってな・・・。残っているのは海を渡れない者達でな。」
どうしてそんな事に?
「ユーナ、先日、主が世界に対して言葉を贈ったはずです。『魔王が新たに誕生した』と。」
そうなんですか!?
魔王が誕生したのは聞いていたけど・・・。
それで皆、魔王を討伐しに行ってしまってのか。
「すまぬな愚痴ばかりで。登録は受付で所定の用紙に記入して提出すると、従魔用のアイテムが貰えるからそれをキマイラに付けてあげなさい。」
ありがとうございます。
それじゃあ早速いきますね。
失礼します。
ユーナが部屋から退室し、カルティエも続けて出ようとするとギルドマスターは彼女を引き留めた。
「クラレアンス嬢、あの子が何であれ、隣にはお主の様な者が必要じゃ。今は、意味がわからんと思うが、今はそれで良い。」
「何が起きてもユーナは大切な友人です。失礼します。」
2人が部屋から出ていくとこの部屋の主人はため息を吐いて「何故、あの娘の周りの大人はあの娘が関わるとダメになるのかのぉ・・・。」
と独り言を呟いていた。




