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キマイラに命名

「あれ?皆、青い顔をしてどうしたのですか?」

カルティエさんがドレス姿に着替えて戻ってきた。


馬の方を見ると「キマイラ・・・」とだけ呟いて納得した様だ。

「それでどうするんだい?幼体の今なら討伐は容易だ。討伐するなら私が引き受ける。」


ユーナは少し悩んだ。

物心ついた頃にノクウから聞いた話を思い出したからだ。


「キマイラはこの世の理から外れた哀しい生き物だ。ただ・・・それらは神ではなく人が作り出したのだよ。本来の目的は人の生活の利便性を上げる為に生み出されたのだが・・・飼えなくなりったり、脱走した個体が野生化し、いつしか魔物として扱われる様になってしまった。まぁ、キマイラは中々出会えない伝説の魔物だがね。出会ったらどうするかはユーナちゃん次第さ。」


要は人間の身勝手で生み出されたのだが管理できなくなり野生化したとのこと。

目の前にいるキマイラは大人しいので連れて行くと決めた。


「育ててみようと思います。」

「そうか・・・。従魔登録が必要になる。なのでその費用は私が負担しよう。一応この町にも冒険者ギルドがあるが今はね・・・。」

襲撃の際に壊されてしまったらしい。

しかも復旧にはかなりの時間がかかるらしい。


「トライアリアには無いし、さらに先のファーストリアにはあるが・・・トライアリアより先は馬車で何日もかかるので気軽に散歩に行くのとは訳が違う。本格的に旅に出たいのであれば一度、両親と話した方が良いだろう。」

この子が討伐対象にならない為には従魔登録を行う必要があるのだが、それが出来るのは冒険者ギルドになっている。

ノーファの村で飼う分には問題は無いだろうが、村には稀に冒険者や本国から役人がやってくる事があり討伐されてしまう可能性やトラブルが起きないとは言い切れないので登録はしておいた方が良いだろう。

その為にも両親と話し合いをしなくては。

それに両親や村の老人達には確かめておきたい事もある。


「それで名前はどうするの?」

カルティエさんにそう聞かれた。

名前か・・・何となくだけれど直感でこう付けた。

「ゆーなさんで。はい決定!」


リートナ伯達は困惑した。

まさか自分と同じ名前をつけるとは思わなかったから。しかもさん付けで。

「それだとユーナが困らない?」




カルティエには仔馬なキマイラが、ため息をついた様に見えた。

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