脅迫
「この口の悪い女が信仰してるのは・・・って事は能力神様の見習い!?しょ、職業に就けなくするのは勘弁してください。」
男は必死だった。
職業が無くなるとある程度はスキルや技術は残るが女神様に罰せられるとそれが封じられてしまうという噂がある。
私はそんな事、出来ないです。見習いですから。
「お、あった。良かったぜ。ラキド兄と飲むつもりだった葡萄酒。お、割れてないグラスもあるな。」
カルティエさんは瓦礫の中から酒瓶とグラスを取り出していた。
流石に、今飲まないよね?
「ラキド兄と飲むんだよ。」
カルティエさんは苦笑いで返して来た。
「おい、口の悪い修道女、そこの神様の見習い様になんとか言ってくれ!」
「態度がでかいおっさんだな。オーエンさんどうします?」
あ、この流れは・・・
「オーエン!?ヒッ、話しますので命だけはどうか命だけは・・・」
やっぱりこうなるんだ・・・。
村の人たちは誘拐犯に何をしたのだろうかと気になったユーナであった。
そんな考え込む私をよそにカルティエさんは紙を取り出しそれを男に見せていた。
紙を見た男は少しの間目を瞑り頷いた。
「まぁ、それはそれとして質問に答えろ、当主も兵も呪いが解けた直後でマトモに動けないから当主の代行で尋問する。しっかり許可は貰っている。そんじゃまずは、目的、「領主一家を狙う様に言われたんだな?トラン伯一家に対してだけ呪いが妙に強く掛けられていたからな。どうなんだ?」
男は反応しない。
「そうか何も話さないか。そんじゃ、次。アンタ家族を人質にされて脅迫されたんだな?」
やはり反応しない。
「隣の領主ノービス・トライアリア卿の差し金か?」
男は眉一つ動かさない。
「アタイは【修道女】として狙われたんだよな?それとも別件か?」
男は、え?どういう事だ?みたいな顔になった。
どうやらカルティエさんが領主の娘という事を知らい様だ。
それじゃあ一体何が目的なのだろうか?
そう思っていると音もなく元暗殺者で元メイドという異色の経歴の【僧侶】デロリスさんがやって来た。
彼女は何かを引きずっている。よく見ると人だった。
流石元暗殺者・・・。(※生きてます)
「お嬢様、付近に不審者がおりましたので捕らえました。」
「ありがとう。デロリス母さん。・・・親子なんだから名前で呼んでくれないか?言葉遣いも・・・な?」
デロリスさんは少し驚いて
「そうですね。長年の接し方のせいかこちらの方が話しやすいので・・・。あ、この不審人物はいかがしましょうか?」
なおす気はあるのだろうか?
ちょっと待ってくれとカルティエさんが言うと尋問していた男に近づき何か小声で言って離れた。
その直後、男が口を開きこう言った。
「俺への監視がなくなった今なら話せる。全てを話すから俺たちを助けて欲しい。」
監視?どういう事?
首をかしげるとデロリスさんはカルティエさんに
「お嬢様、尋問開始前に紙をお見せになられましたよね?まずはその内容をユーナ様に見せられた方が宜しいかと。」
と進言した。
カルティエさんは先程の紙を取り出し私に見せてくれた。
成る程と思うことが書かれていた。




