幕間 両親、魔王領に向かい始める
魔王領とは東の果てにある島でオーエン夫人の故郷でもある。
その土地では魚は生で食べる風習があるが、新鮮な魚なので生で食べられるそうで、王都より西側は魚はいるものの泥臭く生で食べるという事は無い。
前に王都で食べた事がありユナイトは苦手で娘のユーナは平気である。
「本当に食べに行くのか?」
ユナイトは嫌そうな顔で妻に聞いた。
「それだけじゃないわ。マクロ様に任せっきりも悪いから自分達で調べるのよ。それに交易も出来ればと思ってね。」
「そうか・・・当てがあるんだな?」
ユナイトは苦笑いで妻に聞いた。
「ええ。」
「だが、領主の仕事があるから長く離れるわけには・・・」
「だから西から行くんじゃないの。」
「日帰りだと、その手しかないか・・・。」
ユナイトは溜息をついた。
この世界の最西端であるノーファの村、そして東の果てにある島、魔王領。一見遠くにありそうなこの2つの地点は実は遠くない。下手をしたら王都に行くよりも近い。
ノーファより西側は海が広がっており天気のいい日には島が見える。
この島こそ魔王領なのだが、近づくのは容易ではない。
熟練の職業を持つものがパーティーを組んで倒せるかどうかの高位の魔物が次々に押し寄せてくるからだ。
そう言った理由から向こう側の島は無人島とされており世界が丸い事はあまり知られていない。
(この2人は新婚旅行と称して興味本位で島に行き、上陸するとユリの故郷だと発覚した。)
2人は山にある洞窟に行き中に入った。
「あら?封印が解けてる?」
「ん?あの双頭の蛇の通路のか?」
「いいえ、イバラの蛇よ。やたらと強かったやつ。大分、双頭の蛇もやられてる。」
「いったい誰がイバラの蛇を倒したんだろうか?それよりも、双頭の蛇はまずくないか?隠し通路を封印して守護してるんだろ?」
「多分大丈夫よ。イバラの蛇の封印を解いて倒した人は隠し通路に気がつかなかったみたい。双頭の蛇は、また配置するわ。」
ユリがそう言うと呪文を唱えて双頭の蛇を出し、それに対して通路を守るように命じた。
2人が洞窟を抜けるとそこは砂浜が広がっており船が一隻停泊していた。
「さて、行きますか。」
「そうだな。」
2人は船に乗り魔王領の島へと向かっていった。




