母娘
「デロリス母さんなのか?」
カルティエさんは涙を浮かべながらデロリスさんに詰め寄った。
先程【職業神】様との会話の中で本名が出た際に病死したとされるカルティエさんの母親という事を当人の口から聞いた。
病死した事にしたのは色々理由があるとの事・・・。
トランさんと出会う前は【暗殺者】を生業としておりトランさんと出会い互いに惹かれあい、彼の為に適性がない【メイド】になったそうだ。
トランさんが貴族の娘を娶る際に自分を病死にし、この地を去るつもりだったらしいが、その際、トランさんと貴族の娘に計画がバレて折衷案としてカルティエさんのみ正体を明かさず彼女の専属のメイドとなったという経緯がある。
「ブローの奴も知ってたんだな・・・。」
「ごめんなさい・・・名乗り出たかったけれど・・・。」
「母親が暗殺家業をやってたなんて事は気にしねーよ。アタイだって【修道女】らしくないけどな。あ、今は【僧侶】か。」
デロリスさんとカルティエさんは2人で笑い始めた。
「なぁ、お袋・・・。」
いつのまにかカルティエさんはいつもの言葉に戻っていた。
「親父達を助けようぜ。」
デロリスさんは一度目を瞑り頷き
「そうね。」
と言った。
この親子を見ていてユーナはふと思った。
自分の母と父親はどんな経歴の持ち主なのかと。
ノーファの村 オーエン家
「ねぇ、アナタ。ユーナちゃん帰ってこなさそうだし旅行に行きましょ。」
「旅行って・・・どこに?」
「私の故郷。魔王領、クホウトの国によ。」
「まさか・・・。」
「生の魚が食べたいのよ。」




