魔法と呪い1
職業神の世界
「それで何で大量のヴィジョンピジョンと貴女がここにいるんですか?」
「迷える子羊を・・・」
【職業神】は素敵な笑みで「マ・ク・ロ?」とだけ言った。
「怒らないで下さいよ。顔が全く笑ってませんよ?」
「それなら、きちんと話して下さい。」
これ以上、はぐらかすと本気で怒りかねないのでマクロは渋々話し始めた。
「ある場所にいた鳩を全部助けたんです。ここにきたのは。」
「え?それっておかしくないですか?ヴィジョンピジョンは未来を予知して危険を察知して寿命まで生きる鳥ですよ?」
「そうです。まぁ、伝染病とか呪いには弱いんですけどね。」
「まさか・・・」
「ええ、そのまさかです。」
「現在、リトーナの町には強力な呪いがかけられてます。ユーナちゃんを含め数名の耐性持ちが動けてはいますけど、それも時間の問題でしょう。」
リトーナの町
礼拝堂に飛び込んできた男性の一言を聞いたカルティエさんは屋敷へと走って行った。
私はカルティエさんを急いで追いかけた。
屋敷から立ち上がっていた煙は消えていたが屋敷の半分が焼失していた。
使用人達が消火活動をして何とか火を止めたみたいだった。
焼失したのは領主一家のプライベートルームの方の様だ。ピンポイントで領主一家を狙いにきている。
「親父、マーガレットさん、ブロー・・・。」
カルティエさんの表情は辛そうだ。
「お嬢様!」
カルティエさんの隣にメイド服の女性が音もなく現れた。
「お嬢様、よく聞いて下さい。お館様、奥様、ブロー様は治癒院にいます。」
「治癒院!?一体、何があった!」
「呪いでございます。ただ・・・治癒院にも襲撃があった様で回復魔法や解呪の使い手達が皆、重体となっております。町中を確認したところアイテム等の手段もことごとく破壊されておりました。」
「そんな・・・町民には使い手はいないのか?」
「町の被害も相当なもので何名かを除き皆呪いにかかっております。この辺りは耐性だと思いますが、私も動けなくなるのは時間の問題でしょう。」
この規模だと人に対してではなく空間規模で呪いをかけたのだろう。
そうなるとかなりのレベルの呪いの使い手になる。
術者を倒すにしろ解呪をするにしろ一筋縄ではいかない。
「なぁ、ユーナ・・・何とかできないのか?アンタなら回復魔法くらい使えるだろう?」
ごめんなさい・・・。
【修道女】のレベルはこれ以上、上がらないけれど私は回復魔法を覚える事ができなかった。
私にすがるカルティエさんに対して返す言葉が無かった。




