【修道女】のカルティエ
「わかりました・・・。今日は村へ帰ります。神官様が帰って来たら、また訪ねます。」
この施設も利用ができない事が判ったので、
固有スキル:徒弟の白い羽で村へ帰ろう。
確か、職業と名前を言えばその人の近くまで行けるんだよね?
【農民】ユナイ・・・
「もう、大分日が沈んできてる。宿は取ってないんだろ?それなら今夜はここに泊まりな。」
断ろうか迷ったけど、帰ると言ってその場から消えてしまったら正体が明るみに出かねないのでお言葉に甘える事にした。
彼女が夕食の支度を用意してくれた。
カルティエさんはお酒を飲みながら
「ユーナだったっけ?アタイの名前はカルティエ。職業は言うまでもなく【修道女】さ。」
と自己紹介を始めた。
【修道女】って清貧・貞潔、等が求められてる筈なんだけどな・・・
この人を見てると殆どの女性が【修道女】になれそうな気がする。
「何か失礼な事考えてないか?まぁ、いいや。アタイは孤児でね・・・。ラキドのアニキ・・・この神殿に勤めてる【神官】様に育てられた。」
ラキドさんの事を話す彼女は少し嬉しそうだった。何故だろうか?
「ユーナは何で神殿に来た?今の職業に不満があるのか?」
「成人の儀の日に就いた職業の【農民】を極めてしまったので他の職業に転職しようと思って来たんです。
他の職業の魔法やスキルが、あると何かと便利ですから。」
あの日に成った職業は4つ。
【】、【職業神見習い】、
【農民】、【能力神見習い】。
嘘は言ってない・・・はず。
「最初の職業が【農民】か・・・。本来は、歳をとってから成る職業なんだけどな。だけど、1年以内に非戦闘職の【農民】を極められたな。どこでレベルを上げた?隣の村には経験値効率のいい魔物でも生息してるのか?
それともレベル上げする為に人を雇って魔境にでも行ったのか?」
ユーナは気がついていなかった。
ステータスの低い【農民】で経験値を稼ぐのが、いかに大変かを。
経験値の取得方法が他人とは条件が違っていたがために。
そして知らなかった。【農民】とは本来は他の職業から転職するという事を。
「どっちにしたってアンタ、ただのお嬢様じゃないな?
ん?お嬢様?隣の村、農民、貴族令嬢、同い年・・・もしかしてラキドのアニキが言ってた神様の見習いって・・・」
そう言っている彼女の顔はみるみる青くなっていた。
「我が主の見習い様。とんだ御無礼を致しました・・・」
こうなるからバレたくなかったんだよな・・・。




