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男は異世界に生まれ変わる。だがそこも地獄の様と呼ばれ強制労働させられる鉱山だった。だけど俺ってば仕事中毒だから平気、むしろ生き甲斐が出来て楽しーや。  作者: くろねこ教授
第三部 変わりゆく世界 第一章 クライン家

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第90話 護衛

「トリンダーさん、こんな訳で許可が欲しいんだけど…………」

「浮浪児どもにメシを出す……?

 エインステインとイズモさんがやるのか。

 こっちは一円も出さなくて良いんだな?

 なら好きにやってくれていい」


 と言う訳でトリンダー・フェーリン議長の許可はアッサリ下りた。

 じゃあ、食料の準備をしよう。そーだ、妖精メイドさんに手伝ってもらおうかな。


「ちょっと待って」

「はい、セタント様。

 …………えっ、うちも力を貸した方が良い。

 いやでも、ここのところ街は不景気ですし、ガキに使う金の余裕は…………」


「エインステインだけ評判が上がっちゃって良いの?

 もともとあの街の領主はエインステインなんでしょ。

 これを機に騒ぐ奴もいるかもしれない。

 それなら協力して。

 トリンダーはセカンダーのヤツとは違うぞ。

 と街の民にアピールした方が良くない?

 現在はお金無くても、交渉は成功でしょ。

 昔と同様かそれ以上の金属鉱石も魔石も回って来る話になった。

 お金なんてすぐ稼げるよ。

 …………あのフェルガ・マクライヒがあっさり出すことを許したのが不気味だけど…………」


 フェルガさんの腹積もりは少しだけ心当たりがある。昔と同様か…………

 現在鉱山では労働者が増えている、労働環境も良くなり、食糧事情も衛生環境も向上。以前より遥かに効率よく仕事が進んでいるのだ。

 鉱石は以前の倍近く採掘されている。

 魔石は……レアなのでそこまで労働者達は採掘出来ていないが…………俺がメチャハイペースで手に入れている。その中でフェルガさんが魂消ちゃったりしない分量を彼女に渡している。その三倍以上の魔石を俺が妖精のマントにしまっているのはナイショ。だって……フェルガさんに非常識だって、怒られますし。怒られるのコワイですし。

 だからして。

 昔と同様の分量を街に下ろすのはフェルガさんにとって痛くもかゆくも無い。実際には昔の倍の量を鉱山は持っているのだから。


「それは……そうなんですが…………

 しかし大型魔法炉を手に入れろ、と言い出すのはムチャですよ。

 あんなの大貴族にしか伝わっていないし、持ってる貴族が手放すはずも無い」

「だから、それは約束しなかったでしょ。

 アナタが約束したのは出来るだけ努力するのと、魔法炉を持ってる貴族の情報を集める事だけ。

 それで鉱石も魔石も手に入る」


「そうですね、セタントさん。

 俺やります」


 大型魔法炉。欲しかったんだよねー。

 ルピナスが持ってるのは小型の魔法炉で中古のポンコツ。大剣すら作るのが難しい。そこへ行くと大型魔法炉なら、大きな武具も作れるし、量産もカンタンらしい。

 ぜひ、トリンダーさんには頑張って欲しい。


 セタントくんは俺の方を見て言った。


「ふーん、子供たちの支援。

 酔狂だとは思うけど……良いんじゃない。

 世間にイズモさんの名前は知られてるけど、まだ正体の分からない怪しい謎の天才としてだ。

 子供を助ける情がある人とウワサが流れるのは悪くない、と思うよ」

「……別にウワサになるためにするんじゃない」


「ふふふっ 上手くいく事を願ってるよ。

 子供たちのためにもね」


 セタントくんは軽く笑って手を振った。彼は……頭は良いと思うのだが、どうも皮肉屋なところがあるな。



 と言う訳で数日後には、ヒルトンの街に出かける俺である。


「ええええっ?!

 イズモが行くの?

 じゃぁわたしも…………

 今日イキナリは無理だわ。

 訓練の予定がもう入っている。

 わたしがスッポカしたんじゃ、兵士たちに顔向け出来ない。

 だけど……イズモの護衛も必要よね」

「んー、大丈夫だ。

 妖精メイドさんが着いてきてくれるし。

 食料を分けるだけ、なんとかなるだろう」


 クー・クラインのセリフである。ヒルトンの街に食糧支援するとは聞いていたが、俺が行くとは思っていなかったらしい。


「それ……あっしが付いていっちゃいけませんか?」


 そう言ってくれたのはファイズさんであった。労働者たちのリーダー格。危険な雰囲気を纏うイケオジ。これで髪の毛がまったく無いと言う外見的特徴さえなければメチャ格好良いのに、惜しい。


「それは……嬉しいけど、ファイズさんも忙しいでしょ」

「まぁ、しかし、リーダー格も育ってきたんで……半日くらい留守にしても何とでもなるでしょう」


 ヒンデル、ファイズ、ケスラン。この三人が労働者のリーダー格だった。だけど、ケスランに関してリーダーを外さざるを得なくなって、労働者の中でしっかりした人材を副リーダーとして育てていると聞く。


「こう言っちゃなんですが…………街の裏通りなんかにはイズモの兄さんも詳しくないでしょう。

 俺はそっちの方には自信がありまさぁ」


 そう言えば……ファイズさんは元犯罪者グループのリーダーだったと聞いた。

 犯罪者グループ…………ヤクザとかマフィアみたいなモンだろうか。そこのリーダーだとすると結構な悪人と言う事になる。

 あくまで伝聞で本人に確認した訳ではないので、鵜呑みにする訳にもいかないのだが。

 ただファイズさんには確かにそんな空気がある。ただの乱暴者では無い迫力。

 高倉健さんとか、松田優作さんチックな、一見悪役のようで単なる悪役じゃない雰囲気。最近だったら誰なんだろう、永山瑛太さんとかなのか。

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