表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
55/67

【続編]兄との再会

【続編・第8話】兄との再会

サクサクときよぴこは、老婆の宿を後にして、蒸気と石炭の匂いが漂う駅へと辿り着いた。

「……きよぴこ、お前、列車に乗る金なんて持っとんのかよ」

きよぴこの不安を、サクサクは鼻で笑い飛ばす。

「お金なんていらないよ。こうすればいいんだ」

サクサクが駅員の目をじっと見つめると、男の瞳から光が消えた。

「……どうぞ、お通りください……」

「おいおい、ええんかよ! これ、ただの無賃乗車やぞ!」

背徳感に震えるきよぴこだったが、ホームに滑り込んできた鉄の巨体を見て、思わず声を上げた。

「……すげぇ、本物の機関車だ……!」

「きよぴこ、列車に乗っているのは人間だけじゃないから、気をつけなよ」

不穏な言葉を遺して、サクサクは客車へと乗り込む。

車内に入ると、異様な光景が広がっていた。

「おー! サクじゃないか、久しぶりだな!」「どこ行ってたんだよ!」

身なりの良い紳士から、怪しげな風体の男まで、次々と乗客がサクサクに親しげに声をかけてくる。まるで車両全体が彼を待ちわびていたかのようだ。

二人が席に腰掛けようとしたその時、奥から一人の男が立ち上がった。

「……おぉ、サクじゃないか」

サクサクが相好を崩す。「はる兄さん、久しぶり!」

「お前、40年もどこへ行ってたんだよ。みんな心配してたんだぞ」

「いやぁ、ちょっと野暮用でね……」

サクサクは、呆然と立ち尽くすきよぴこに向き直った。

「紹介するよ。僕の兄さんで『はる』って言うんだ。はる兄さんは僕と一緒で、リクエストするのが大好きなんだ」

「……リクエスト? 40年……?」

きよぴこの頭の中は疑問符で埋め尽くされる。

「きよぴこが、はる兄さんと仲良くしてくれると嬉しいな。」

サクサクはきよぴこの肩を叩き、無邪気な、しかし底知れない笑みを浮かべた。

「きよぴこ、楽しい旅になりそうだね」

重厚な汽笛が鳴り響き、列車はゆっくりと、さらなる深淵へと走り出した。

挿絵(By みてみん)

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
拝啓 ちく先生 いつも作品を楽しく読ませていただいてます はる兄さん、どこかで聞いたような気もする素敵なお名前ですね(ニッコリ) 得意技は、人をあやめることすら、いとも簡単にできてしまうコメ上げ…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ