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【続編】夏の呼吸と57歳の羞恥心
【続編・第2話】謎の呼吸と、57歳の羞恥心
千春がちくとケメ子に刀を渡す。「この刀を抜くと技が使えます。森を抜けるまでに何度か鬼に出会うはずです。体力温存のため、順番に倒していきましょう」一行は歩き始める。
不意に千春が右手を上げ、全員を静止させた。「何かいます。
最初は僕が戦います」闇から鬼が這い出した。千春が鋭く刀を抜く。
「河童の呼吸」
自分で言うんかい!
「壱の型!黄桜!」
あーそんなお酒あったね!
ザシュッ!
鮮やかな一閃が鬼を裂いた。さらに歩みを進めると、再び殺気が漂う。
「来ます!今度はケメ子さん、お願いします」
ケメ子が意を決して刀を抜いた。
「お漏らしの呼吸!」
ちくが思わず吹き出す。
「ぷっ、お漏らし!?」
ケメ子は困惑し叫ぶ。「違うの、口が勝手に動くのよ!……壱ノ型!潮吹きィ!!」
ドシュゥゥ!凄まじい水圧が鬼を粉砕。ケメ子は顔を真っ赤にして刀を叩きつけた。「なんなのこの刀!恥ずかしすぎるわよ!」
千春は涼しい顔で告げる。「弐の方もあるので、こらえてください。さあ、進みましょう」一行は困惑と爆笑、そして一抹の不安を抱えながら、大正の夜をさらに深く進んでいく。




