籐と藤
「藤の花が見頃だよ」
紫の藤の人。
「藤棚がいたるところで見られるわ」
並んで立つと、紅貴な面持ちだ。
「藤棚の下で葡萄パフェなんてエレガントだよ」
紫尽くしである。
「ラベンダー色のランドセルも売ってたけど、わたしは赤にしてもらったわ」
名は体をあらわす。
「紅さんだから、それで正解だよ」
イメージカラーに反発して奇をてらっても、良い結果は生まれない。
「月に居た時はムーンカラー、地球に来てからはアースカラーだったよ」
月はベージュ色、地球は濃いブルーである。
「わたし、トイレの男女表記は間違えないことを最優先して欲しいのよね」
「男は青、女は赤ってことだね」
これを固定観念や決めつけと言うのは、思想が出過ぎている。
「男の人が赤い服を着たり女の人が青い服を着たりするのは全然いいのよ。でもトイレの色表記を逆転したら、変質者扱いされる人が続出するでしょうね」
ピクトグラムでスカートを穿かせない店もあるので、判別不可能になっている。
「鈴鹿PAのトイレが分かりやすいよ。色遣いもセンスを感じるかな」
昇竜デイに金色のユニフォームが登場したが、ドジャース開幕戦のユニフォームも参考にしてもらいたい。
「あれぐらいでちょうどいいわ。お風呂もそうあるべきだけど」
間違えて入ったら、次の日には鉄格子の中に入っているかも知れない。
「温泉では大きめの暖簾で色分けしてあるよね」
暖簾の掛け替えをするので、ぼーっとしていると男女間違えて入る人も?
「話は変わるけど、温泉にある籐家具が好きなのよ」
「籐椅子とか籐籠とかね!」
籐と藤の漢字は似ているが、まったく別物である。籐はラタンとも言う。
「そうそう、野菜の収穫物を籐籠に入れたりね」
お出掛け先に使うのもオツなものだ。
「これも昭和の香りがするなあ」
ドレッサーが籐椅子だったりした。虫食いには注意せねばなるまい。
「家具屋さんに行くとまだ結構見るわ」
かぐや姫とは、安易に言わないこと。月見ヤチヨより月見年往のほうが先だが、知名度が比べものにならない。
「温泉にある籐椅子は、直にお尻を載せてる人がいないか気がかりだよ」
月に代わってお尻置きだ。




