間隔の感覚
「ちょっと詰めすぎなんだよね」
ちょっとなのに、すぎるのか。
「掲示物? そうね、もう少し間を空けたほうがいいかしら」
プリント数が多いわけでもないのに、紙と紙のあいだがキチキチである。
「なんか圧迫感があるんだよ」
掲示係でもないのに、画鋲を留め直す年往。
「詰めたほうがいいものもあるけど、これに関しては使う側や見る側の気持ちも考慮しないとね」
詰めてあると、冷たく感じる。
「洗濯物とか本棚の中身は詰めたほうがいいよね」
弁当箱は、隙間無く!
「そういうことになるわ。プリントとか、並べて内容を把握しなければならないようなものは、きもち空けないとね」
神経衰弱も適度に間隔を空ける。
「小さく前ならえがどういう時に使うのか、いまいち分かっていないかも」
体育館は十分に広い。
「距離感を間違えてはいけないわ。好意的に思っていても、近すぎると悪い印象が生まれるもの」
牽制球?
「家と家の間隔は十分取りたいなあ」
家相的にどうなのだろうか。幼馴染み同士が窓から会話したりするメリットはあるかも知れないが。
「間隔でいうと、文字もそうよね。ギューギュー詰めは読みづらいわ」
下手な文字というのは、大抵線と線がぶつかったり判別不能になっていたりするため、ダダクサに見えてしまう。
「ただ、ネットの文章で1行ごとに空白を入れるのはペケかな。間が抜けてる感じがするよ」
いくつかのセンテンスでブロックを作ってからなら、呼吸を整えられる。
「ビッシリの文字、人気ないわね。紙を少なく出来ていいと思うけど」
電子だから消耗しないということは無い。
「順番待ちの時にさ、やっぱり女性の後ろだと緊張するんだよ。待ってるんだからしょうが無いんだけど、近すぎじゃないかなとかね」
そんなことを気にするガラでは無いだろう。
「靴二足分てとこじゃないかしら」
逆に、離れすぎると横入りされるぞ。
「プロミネンス禍ではもっと間隔空けてたよね」
マスク着用は随分と減った。
「そうだったわ。また前に戻ったのだけれど、レストランで隣りのテーブル間隔が狭いと、落ち着かないのよ」
会話が丸聞こえである。
「あれは僕も嫌だなあ。一列で機械的に横並びのお店があるよね」
年往よ。紅を食事に誘うなら、個室を予約することだ。




