鈴鹿と栗鹿
「差し入れと言えば、カステラよね」
ざらめ入りが好きな紅。
「詫びの品にも使われるみたいだよ」
カスハラよりカステラだ。
「鈴カステラも好きなのよ」
ベビーカステラと似ているが、起源は不明だ。
「あれってさ、栗にも見えるよね」
もっと栗の形に寄せてもいいだろう。
「ほんとだわ。中に栗を入れてもいいわね」
栗カステラと区分けが難しくなる。
「それは名案だね!」
餡を入れたらさらに美味くなる。
「新宮に行ったら、必ず鈴焼を買うわね」
より鈴の形をしている。味は紅の保証付きだ。
「人形焼きって言うのかな。ベビーカステラの種類がすごく増えたよ」
キャラ物はヤング世代に受け入れられやすい。
「子供のものってイメージだけど、もう日本の定年間際の世代がどっぷりキャラクターに浸かっていた世代だからね」
リアルタイムでガンダムを10代の頃に見ていたとしても、もうとうに50を過ぎている。
「ミックスにしたら購入側は楽しめるけど、型をいくつも作る側は大変だよ」
バラエティパックはいつの時代も人気だ。ただし、必ず要らないものが入っている。
「はごろもの缶詰も、数種類入ってるのを買うわ」
頭脳を刺激し続ける紅は、自然と甘い物を欲するようになる。ただし、料理は塩気の効いた物が好みだ。
「この時期になるとお菓子コーナーにチョコレートがずらーっと並ぶけど、あれひとつにまとめて欲しいよ」
そうは問屋が卸さない。
「メーカーもそれが売れるのは分かってるんでしょうけどね」
ミニ雪見大福の9個入りがすべて違う色味なら眺めているだけで楽しめる。
「たしかチロルチョコはあった気がするよ」
「マルカワのガムもあったわね!」
お菓子の城作りに役立ちそうだ。
「教室の床タイルがカラフルだったら面白いだろうけど、気が散るから駄目なんだろうね」
「う~ん・・・」
即断即決の紅が考え込んでいる。
「建設現場の大型トラックや重機をカラフルにした試みがあったんだけど、作業効率や安全意識への高まりに、ハッキリと差が出たらしいわ」
落ち着きのある統一感をモットーにする一派とで、対立が生まれるだろう。
「うん。車の操作パネルはもっと色分けするべきじゃないかな」
キーボードの色分けが待たれる。
「わたしも発見したんだけど、鈴カステラはスライム型でもいいわね」
確かに形状が似ている。
「わりと最近に出たレモンスライムが、色も似てるんじゃないかな」




