表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
月の王子さま  作者: 三重野 創


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

11/18

黒猫の単語帳

「え~っと、う~んと」

 年往が試験対策中である。


「精が出るわね」

 紅は苦労が顔に出にくい。


「休憩のこびるを励みにしてるよ」

 北伊勢高生を狙った食べ物屋が、胃袋を刺激する。


「寝食を忘れて没頭なんてのは、もう死語なのかしら」

 花より腹になっている。


「死語リストなんて作ってみるのも面白いかもね」

 ナウなヤングにバカウケだろう。


「勉強のとっかかりとして、単語から攻めるのはいい突破口だと思うわ」

 教科書を読むにしても、用語で何度も引っ掛かることはありゃしないか。


「この間も辞書を読む話が出たけど、同感だね」

 同感同感スリム同感。


「テストは短期決戦だからそうも行かないけど、試験範囲内に限定したら気分は楽だわ」

 ざっと範囲を読んで不確かな把握の言葉は書き出す紅。鞄からスパイラルのワードブックを取り出す。


「紅さんの黒猫の単語帳だね」

 毛並みの赤い猫は、さすがに存在しない。


「普通の細かく区切ってある単語帳だと書き込みがあまり出来ないから、罫線だけの物を使ってるわ」

 黒猫は紅の手描きである。


「紅さんのは単語カードをパラパラめくって暗記って感じじゃないね」

 年往は犬派だ。


「ひとつの物に対してひとつの言葉しか対応していないと、逆に覚えにくいのよ」

 1対1対応が覚えやすいのなら、デジタル脳である。


「ヒントでピントも手掛かりが多い方がすぐ分かるもんね」

 年往、昭和生まれ説浮上。


「こういうのに限って言えばね」

 使うのは自分だけだからである。


「マニュアル作成だとこうは行かないか」

 あまりにも長いと誰も習得できず、大きなトラブルが発生したりする。


「技術書は単語の意味の取り違えが命取りになるから、文系分野よりも理系分野で単語・用語集は威力を発揮するわ」

 

 マスメディアには、簡潔で情感に訴えるようなものしか流通しない。技術書・数学書を開いてこんこんと耽るような行為とは、まったくフィールドが異なる。いにしえの叡智が、まだ手付かずで眠っていたりする。誰でも入り口までアクセス出来るが、奥に進んで行くには思考体力が要る。その階段を登り続けるには、紅のようなスタンスが望ましい。







評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ