武器屋④
次に向かった武器屋は通りの角にあった。
店先には槍や斧が無造作に立て掛けられ、壁には大小様々な剣が並んでいる。先ほどの店よりも実用本位といった雰囲気で、木炭と鉄の匂いが鼻をくすぐった。
店の奥からカンカンカンカンと金属が擦れあう澄んだ音がする。
ここは、鍛冶屋と武器屋が併設されている店の様だった。
「いらっしゃい」
元気のいい爽やかな頬を黒くしたお兄さんが手にハンマーを持って挨拶をした。
もう一人のダンが早速近くにある剣をとると剣を手渡して様子を伺ってきた。
ダンは刃先を指で軽く弾き、刀身を眺めながら小さく息を吐いた。
「刃が柔らかいな。実戦で使えば刃こぼれしやすそうだ」
刃の柔軟性を確認しダンは首を横に振る。そして、また違う剣。
「これは重心が切っ先寄りだ。悪くはないが……ダンお前はどうだ」
もう一人のダンがもう一度その場で剣を振るってみる。
「僕にはちょっと振りづらいかも」
「お前は重心が手元寄りの方が良いだろう防御や連続攻撃がしやすい剣だ」
淡々と言いながら剣をもとに戻しては試す。
「兄さんやっぱり剣に詳しいんだね。凄いや」
感嘆するダンをよそに沈黙を貫いていると。
「お客さん見る目あるね。お客さんじゃあここにある武器で満足出来ないかもしれないけど、ちょうど出来上がったばかりの剣がある」
そう言って店の奥から布に包まれた剣を店主が持ってきてそれを解いた。
まずはもう一人のダンが触れ、瞳を見開き何度も振るうと顔を輝かせた。
「振りやすい!」
そして、ダンに手渡すと懇願するよえな瞳で2人は眺めてきた。
柄を握り、何度か軽く振るう。重心、柄の太さ、刃の反り、わずかな重みの違いを確かめるように目を細めた。
「……いい剣だ」
「だろう?俺の自信作だ」
店主がニカッと歯にかむと腕を叩いた。
「見つかったか」
離れたところでアリラは武器を試用していたがいつの間にか近くにいて聞いてきた。
「僕のは見つかったよ……でも兄さんのはまだ」
もう一人のダンが答えると、店主が付け足した。
「お客さんが探してるのは、昔の剣だ。よっぽど長く持っていたんだろう。ここに無いのは残念だが見つかるといいな」
そう言って最後の店に向かった。どうやら次はアリラのおすすめの武器屋らしい。
「兄さんの剣見つかるといいね」
通りから外れ少し進んだ細い通路の先に武器屋はあった。




