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13巨大バルーンで子供たちを遊ばせることにしたけど私がイベントを広める役らしい

 そんなに来ないけど、なにか困っていることはないかとか、パフェがおいしかったと書かれていた時は食べたのかと思わず驚いた。かなりフットワークが軽くて、身軽な性格らしい。


 季節イベントを考えながらストーリーもちまちま読み、デモンストレーションの打ち合わせの日に城に行く。聖女たちがわらわらと集まりこちらに来てはパフェの感想を言い、おいしかったことを伝えている。


 とにかく、甘くて舌が蕩けそうだったこが伝わってくる。極上の甘味ですわ、と食レポを受け取る。

 中にはこの果物のパフェも食べたいと恥ずかしながら言う人もいて、なるほどと頷いた。


 ペコラは恐らく今のでパフェのレシピが増えたと増えた時の効果音で発覚させた。ひらめきとか、人と話してレシピを得るシステムに則っての発現なんだなとアルクレイに話す。


「おれもシステム内のことだから実際にこれが欲しいと言われてレシピが増えると知ったな。感覚でしか覚えてなくてな」


 ウサギの耳をくしくしする。可愛いからやめて欲しい。可愛い可愛いと、周りの聖女たちも顔を緩めた。

 アルクレイはまあいいだろうと触らせてある。なぜいいのかと言うと、ペコラの好感度は自分が稼いでおこうと思っているみたい。


「デモンストレーションは何をしますか?」


「光るものかしら?」


 聖女という存在を調べるためにわかりやすくやるらしい。そんなもの、気にするなんて変なのと思ったものの静かにしている。誰かがやるのを今回は見ているだけなのだから。


「ペコラ様はどうかしら」


「え、私?……パフェをその場で配る?」


 ペコラが魔法で配ればわかりやすいだろう。そろそろパフェ聖女とか言われてもおかしくないかもしれん。そこはもう突き抜けておく方がいいのかもしれない。

 聖女たちに聞かれたから仕方なく答えたけど、反応はいかほどか?

 見ていると聖女たちは「まあ」と嬉しそうに笑う。


「聖女というのは力の誇示ではなく、聖女が何かをすることが大切なのです。それもよいですね」


 まさかの採用されかけている。それはそれで困るので別の案を考える。

 トランポリンのように跳ねて一時的に無重力状態になるボックスを用意して、中に入ると体験できるようにすると言う。


 よく、展示場とかでやったこともあるし見たことのあるバルーンルームだ。あの中に柔らかいボールなどがあり、上れたりして。あそこにたくさんの人が入っても倒れなかったのは今思うとすごい。

 それをやろうと思えばやれる。イベントのアイテムを出せば良いのだ。


 試しにそれはなんだと聞いてきた人たちに庭に出るように伝えると皆がわらわら出てくる。

 周りが出てきたのを知るとバルーンルームを取り出す。それを出すと大きさに驚いた声が空に響く。

 聖騎士たちもいるけれど、口をぽかんと開けている。皆も例外なく。平気なのは出したのは自分とアルクレイくらい。


「大きくて、大きいわ」


「すごい!」


「プリンアラモード馬車みたいだわね?入りたいわあ」


 我先にと入りたがる彼女たちは、すでにペコラが楽しいことを用意してあるともう理解してくれているのだ。その前に聖騎士たちが安全確認をするために一番初めに入る。

 アクティビティのことを説明しておく。飛んで跳ねるので体幹を強く保つのだと言っておく。


「は、はい」


「こ、心得ておきます」


 聖騎士たちが返事をして入口に行く。中は広いので入る時も余裕で何人も入れる。


「あわあああああ」


「おうおあお」


「ぬわあああ」


「ぐっは!」


 聖騎士たちの鍛えた三半規管がぐちゃぐちゃになっている声だな、きっと。

 慣れるとまた入りたくなるくらいハマるから。などと内心思いつつも、数分後には事態に慣れたのか悲鳴のような何かは聞こえなくなって、感心するような声しか聞こえない。もしかして、はしゃいでいるのかな。

 中で楽しげな声に変わると聖女たちは、聖騎士たちが外へ出てくるとすぐに中へ吸い込まれていく。


「きゃあ!」


「なぁ!?」


「いやぁ!」


 こちらも最初は悲鳴のみだったが、五分も立たないうちにきゃらきゃらとした盛り上がっている声音が聞こえた。

 慣れたのか楽しさを知ったようだ。アルクレイはこれをしたことがないらしく、やりたそうにしていたので中に入れて満足するまで聖女らと跳ねる。


「これ、は、なにごとだ」


 声がしなり、空間に聞こえると集団が見えてこちらを見た。皇帝の次に偉い人だ。政治を取り仕切る人。宰相という役職の人だ。皇帝とは幼馴染らしい。

 その人が兵やら人やらをぞろぞろ連れてきた。聖騎士たちが説明をしている。


 聖騎士たちはこの国の派遣だが命令系統は聖女優先なのでこの国の貴族に重ねられることはない。

 どういうことなのかは知らないが、聖女に反感を持っていると聖女のそばにいられなくなるらしい。めまいとか具合が悪くなったりとか。


「ペコラ様が?」


 誰がやったとは言ってないけれど、こんなことができるのはペコラなのだと皆は認知し始めた。面白みがないなぁ。


 理解されるとサプライズをしても慣れてしまう。慣れないようにもっとすごいことをしていくべきなのかな?


「その、ペコラ様」


 話しかけられるけど、なにを言われるのかちょっとだけ期待する。


「王族のお子様たちが、やりたいと」


「ん?」


 思っていた方向性と違った。


「中の遊びを見て、やりたいと」


「ああ」


 今日は中が見える透明なものなので、遊んでいるところを見ることができるのだ。なので、こうしたこともあるんだろう。子どもは子どもなので、別に構わない。誰の子どもだろうと。

 頷くとすぐに王族という子どもたちがバルーンルームにやってきて中で遊び出した。


 親同伴なので様々な人たちがぞろぞろと来ている。

 他の聖女らは知り合いもいるのか、挨拶したりしているが、ペコラは断固拒否という言葉が広まっているおかげで、なにか声をかけられることはない。

 中には挨拶したがる人がいたが、対応はしない。

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