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良性脳腫瘍と言う命の危険  作者: ねねこ


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9/11

9 水頭症の手術と緊急入院

3月の水頭症の手術は、脳室の底に孔をあける手術となった。病院もだけど自分もコロナにならないように、とビクビクしながら入院準備をして、入院前に10日間熱も計っていざ入院。

 すでに脳外科の看護師さんや介護助手さんたちとは顔見知り状態だったので「またお世話になります」と言って、今回は前回保険もおりたことだし、と個室へ。片耳だと音の距離感がすごくストレスで、1人で静かに個室にいるほうがストレスないなと思ったし、今回は最長でも2週間くらいで退院できると聞いていたから。

 

 そして人生二度目の全員麻酔の手術。今回は2時間くらいで終わって、ICUにも入ることなくしばらく休憩して病棟に戻った。

 その晩、猛烈な吐き気が起こり、胃の中のモノ全部出す勢いで吐いた。病室のベッドと床がえらいことになったし、真夜中に看護師さんたちに迷惑をかけて申し訳なかった。

 私はどうやら造影剤と相性があまりよくないらしく、最初の頃から吐き気がすごかった。今では対策として炭酸飲料をMRIが終わった後に飲むと吐き気はそれほどでもなくなってる。

予定通り10日間くらいで退院。そのあとすぐに4月の終わりに二回目のガンマナイフ照射を受けることになり、ガンマナイフの病院へ。ちょうど1年で2回目のガンマナイフを受けることになった。


 ガンマナイフは照射すると一時的に腫瘍が大きくなると聞いていたので、脳室の底に孔をあけたばかりなのに大丈夫なんですか?と先生に聞いたら「照射位置を変えますから影響はないですよ」と柔和な笑顔で言われた。そしてまた鉄仮面を被って照射治療。二回目ともなれば少しは慣れる。まあ額と後頭部のボルトはやっぱり痛いけど。


 水頭症の手術のおかげで、それから私の歩行は劇的に回復した。夏前には何なら走れるくらいになってた。なので、趣味の一つだったテニスを再開した。コートに入ってラケットを振るのが楽しかった。

 だけどこれがピークだった。

 夏の終わりにまた歩行障害が出るようになった。前より悪化していた。突然やってくる足の虚無感。自分の足が棒になるような感覚。こうなることが増えて来た。それから思考能力の低下。さっき考えてたことが思い出せない。

 水頭症が再発していた。原因は腫瘍が増悪を再び始めていたこと。脳室が限界まで大きくなり、動けなくなることが増えた。家の中でも杖がないと歩けなくなっていた。

 再度水頭症の手術を提案される。

 もう一人暮らしは限界だった。実家に戻ることにして、3か月かけて引っ越し準備をした。友達に手伝ってもらいながらなんとかなった。


 引っ越し当日、体力気力が限界だった。入院予定日まであと三日あったけどマンションのエントランスで動けなくなり、救急車を呼んだ。立てない、意識が飛びそう、となりながら、なんとか踏ん張った。先生には動けなくなったら救急車を呼んで病院に来るようにと言われていたので、救急隊員の方に病院と主治医の名前を伝え、そのまま病院に運んでもらい緊急入院となった。入院日までホテルに泊まる予定で友達にも付き添いをお願いしていたのにダメになり、ホテルに電話してキャンセルし、友達にも連絡。車いすでこれをするのは本当にきつかった。

 それから脳外科の部屋が空いてから救急から移動して、水頭症の手術を待つ。今回はVPシャントで行きますと言われた。ああ、傷が残るなぁ……と思ったけど、この歩けない、考えられない、頭に靄がずっとかかってるみたいな不快感から解放されるなら……と覚悟を決める。

 そして予定通りVPシャントの手術。やっぱり吐き気がすごかった。自分の体を見ると、鎖骨と下腹部に大きな傷があった。あと前髪が剃られていてなくなっていた。帽子持ってきておいてよかった。

 二つとも傷が痛痒くて、軟膏と湿布で何とかやり過ごす。実際、5年たった今でも痛痒さがある。

 それから退院してまず前髪ウィッグを買いに行った。数日友人とホテルでゆっくりして実家に帰ってからは、もうひたすら寝てる時間がほとんどだった。とにかく眠かった。

 部屋は、祖母が使っていたバリアフリーにリフォームした離れを使うことにした。

 次の診察と検査が12月で、それまではとにかく体力の回復だけを考えた。この時期に長かった髪をバッサリとショートにした。

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