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VRMMOで憧れてた鍛冶職を取ったけど思ってたんと違う....  作者: ヤミラミ


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『古樹の回廊』レイドボス

「レイ、左の影から追加で三体来やがるぞ! 毒液の射出動作に気をつけろ!」


「分かってる! 『重力脈同調』――ハァァァッ!!」


暗がりから飛び出してきたのは、天井に張り付いていた巨大な蜘蛛型モンスター『アシッド・スパイダー』の群れだ。


俺は円を描くようなダイナミックな横薙ぎ一閃を放つ。


ズドォォォォンッ!!


刃に纏わせた漆黒の重力光が暴風となって巻き起こり、迫るスパイダーたちの巨体をまとめて叩き潰す。


衝撃波が洞窟の壁面を激しく揺らし、体内に溜め込まれたダメージが一気に爆発。弾け飛んだ肉片が、眩いポリゴン粒子となって空中へ散っていく。


「ナイスだレイ! まだまだ行くぜ……『ハイパー・スパイラル』!」


続いて背後から迫っていた、全身を岩のような分厚い甲殻で覆った大型種『アームド・トロール』に対し、コウタの長槍が閃光を放つ。


激闘、また激闘。


レベル40オーバーの強敵たちが次々と襲いかかってくる死線の中で、俺たちの戦術と動きは格段に研ぎ澄まされていった。

攻防のすべてにおいて無駄な動作が削ぎ落とされ、コウタとの連携も阿吽の呼吸で噛み合っていた。


数々の連戦を破竹の勢いで潜り抜け、俺のステータスウィンドウに青い光が踊る。


【Levelが 33 に上がりました】


「ふぅ……さすがに下層の雑魚は歯応えがありすぎるな。だが、身体のキレは過去最高だ」


俺は大剣を背中の鞘へ収め、額の汗を拭った。


「ああ。その分 動きのキレも新スキルの感覚も完璧に仕上がってきてる。これならいつでもあのクソゴーレムにリベンジに行けるぜ」


コウタが槍を肩に担ぎ、満足そうにニッと笑う。


だが、俺たちが息を整えながら通路の角を曲がった、まさにその時だった。


――ズズズズズズズズズズズッ!!!!


お腹の底を直接揺らすような、今まで経験したこともない凄まじい地鳴りと振動が、ダンジョン全体を激しく揺らした。


「な、なんだ!? 天井が崩れるほどの地震か!?」


「いや、違う……! 前方の広場を見ろ! プレイヤーの怒号と戦闘エフェクトだ!」


薄暗い通路を抜けた先に広がっていたのは、巨大な古代のコロシアムを彷彿とさせる、広大な円形の大空洞だった。


そこでは、数十人規模のプレイヤーたちが入り乱れ、一体の圧倒的な巨大モンスターを相手に死闘を繰り広げていた。


広場の中央に鎮座しているのは、古代遺跡の巨大な瓦礫と黒木が複雑に融合したような、異形のアラクネ(蜘蛛)型超大型ボス。


彷徨う(ワンダリング)レイドボス:古樹の暴君・グラニード】

【Level:48】


「うわぁぁぁっ!? タンク(盾職)のヘイトが切れたぞ!」

「後衛、下がれ! 範囲なぎ払いが来る――!」

「回復が追いつかねぇ! 誰か前衛のカバーに入ってくれ、頼む!」


飛び交う怒号と悲鳴。空中を交錯する炎や光の属性魔法。


広場には複数のパーティが結集し、即席のレイド陣形を組んで挑んでいたが、Lv.48という規格外の巨躯と猛攻の前に、完全に戦線が崩壊しかけていた。


ボスが太い八本の巨脚を同時に叩きつけ、周囲に広域の衝撃波を巻き起こす。前衛の重装騎士たちが吹き飛ばされ、無防備になった後衛の魔法職や回復職たちにボスの巨脚が振り下ろされようとしていた。


「おいおいおい……マジかよ! Lv.48かよ!」


コウタが長槍を握り直し、思わず息を呑む。


「他のパーティも全滅寸前だ……! コウタ、行くぞ!」


「言われなくてもな! レイド戦の乱入なんて一番燃えるシチュエーションじゃねえか!」


俺とコウタは顔を見合わせると、崩壊しかけているレイド戦の真っ只中へと、弾丸のような勢いで飛び込んでいった!


「後衛陣、下がるな! ここから先は俺たちが食い止める!」


ボスの巨大な前脚が無防備な魔法職たちへ振り下ろされる直前、俺はSTRによる脚力で突っ込み、大剣の広い刀身を叩き込む。


ドォォォォォォンッッ!!!!


凄まじい質量と衝撃が両腕を襲う。石畳が割れ、衝撃波で周囲の空気が爆ぜた。

だが、俺の鍛え上げたSTRは、ボスの一撃を受け止めて見せた。


「なっ……!? 大剣職たった一人のガードで、あのレイドボスの叩きつけを止めただと!?」


悲鳴を上げていた回復職のプレイヤーたちが、信じられないものを見る目で目を見開く。


「前衛の立て直しを急げ! ヘイトは俺たちがまとめて買う!」


「任せとけ! 『ピアシングチャージ』!」


コウタが高速の連撃刺突でボスの足元へ切り込み、一瞬でターゲットの意識を自身へと強く引きつける。


「助かった……! あの二人、動きの無駄がない!」

「前衛、立て直せ! あの二人のラインに合わせろー!」


俺たちの乱入によって、全滅寸前だったレイド陣形に一気に活気が戻った。息を吹き返した他パーティが体勢を立て直し、再び遠距離射撃や回復魔法が交錯し始める。

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