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VRMMOで憧れてた鍛冶職を取ったけど思ってたんと違う....  作者: ヤミラミ


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ダンジョン下層エリア攻略

『古樹の回廊』最深部――下層エリア。


そこは、中層までの祭りめいた賑やかさやプレイヤーたちの歓声とは完全に切り離された、静けさと禍々しい緊張感が支配する異空間だった。


洞窟の壁面を覆う太い大木の根は不気味な黒紫色に変色し、古代石の床のあちこちからは、毒性を帯びた胞子や超高熱の蒸気がプシューッと音を立てて吹き出している。


すれ違うプレイヤーパーティの数は一気に激減しており、すれ違う者たちの誰もがハイレベルな装備に身を包み、鋭い眼光で周囲を警戒しながら慎重に足を進めていた。


「……ここからは完全に上級者エリアだな。一歩間違えれば即デスペナ物の空気が漂ってやがる」


「ああ。雑魚モンスターのレベルも、40台超えが当たり前みたいに出てくるはずだ。気を引き締めていこう」


俺が大剣の柄に手をかけた、まさにその瞬間だった。


シャリッ――!


黒い大木の陰から、空気そのものを切り裂くような甲高い金属音が響き、恐ろしい速度で黒い影が俺の視界へと飛び出してきた。


「くっ……!? 速いッ!」


視界の端で捉えた閃光に対し、俺は体ごと大剣の広い刀身を斜めに掲げ、必死にガード体勢を取る。


ガガギィィィンッッ!!


激しい火花と金属接触音が大ホールに爆音となって響き渡った。

受け止めた瞬間、刀身から両腕へ伝わってくる重量と衝撃はこれまでの比ではない。ずしりと重い圧力がかかり、俺の足元がズズズと古代石の床を削りながら数メートル後方へ滑らされた。


「ぐっ……なんという重さとスピードだ……!」


姿勢を低くして体制を立て直しながら正面を睨みつける。

暗がりから躍り出てきたのは、全身が黒く硬質化した樹皮と、両腕が研ぎ澄まされた鋸状の鉱石刃と化している、巨大なカマキリ型の変異種モンスターだった。


【モンスター:ダーク・スライサー】

【Level:42】


赤いターゲットウィンドウに刻まれた数字を見たコウタが、息を呑む。


「レベル42……! おいおいマジかよ、あのマグマ・ゴーレムと同レベルのやつが普通に雑魚として徘徊してんのかよ!」


「だが、今の俺たちならやれる!」


ダーク・スライサーが両腕の鉱石刃を擦り合わせ、不快な高音を鳴らしながら第二波の死の斬撃を放とうと踏み込んでくる。


だが、その速すぎる初動に対して、コウタの反応は一瞬だった。


「地力を上げてきたのはお前らだけじゃねえんだよ! 喰らいやがれ……『ハイパー・スパイラル』!」


コウタが新しく入手した、槍術系統の上位スキル。

コウタの長槍が激しい旋風を纏い、ドリル移動のような超高速の回転突きとなって、切り込んできたダーク・スライサーの側腹部へ一直線に突き刺さった!


ズドバァァァンッ!!


従来の刺突を遥かに上回る破壊力と強烈なノックバック効果が炸裂する。

レベル42の強敵の体が、コウタの一撃によって強引に体勢を崩され、空中で大きくバランスを失った。


『グガァッ!?』


「ナイスだコウタ! 叩き潰すぞ!」


体勢を崩した絶好の隙を見逃さず、俺は踏み込んだ。


背中の『深海鋼の重圧大剣』を上段高くへと振りかぶる。重心移動は完璧。軸ブレはゼロ。漆黒の重力光を刀身全体へと漲らせる。


「『重力脈同調』――叩き潰れろぉぉッ!!」


上段からの全力叩きつけ!


ズドォォォォォォンッッ!!!!


大剣の刃がダーク・スライサーの頭部を叩き割り、そのまま古代石の床ごと叩き潰した。


『固有効果:過剰打撃』発動!


高密度で凝縮された重力衝撃波が敵の体内にダイレクトに浸透。レベル42の頑強な肉体を内側から破壊し、数秒前まで圧倒的な脅威だった強敵が一瞬で膨大なポリゴン粒子へと破砕され、空気中へと散っていった。


【経験値を獲得しました】


静寂が戻った下層の通路で、俺は大剣を背中の鞘へと滑り込ませた。


「ハハッ! 決まったなレイ! コウタの新スキルと俺たちの連携、バッチリじゃねえか!」


「ああ……いける! レベル40オーバーの敵相手でも、今の俺たちなら十分渡り合える!」


コウタと顔を見合わせ、俺たちは力強く拳を突き合わせた。


「よし、このまま下層の最奥まで潜って、さらにレベルと実戦感覚を極めるぞ!」


「おう! あのクソゴーレムを絶望させる準備、着々と整ってきたぜ!」


暗く禍々しい下層の道を照らすように、俺とコウタはさらなる強さを目指し、一層深くへと踏み込んでいった。

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