第四章 第四節 紹鷗緞子と紹鷗間道
母:現存する紹鷗茄子は、「みほつくし」の他、もう1点あります。
サンリツ服部美術館にある紹鷗茄子です。特に別名はありません。この茶入には四つの仕覆が添っています。金地金襴、二重蔓牡丹紋金襴、縬間道、そして紹鷗緞子です。
息子:紹鷗緞子というのは、どんな裂地なの?
母:東京国立博物館にあり、画像はネットでも公開されています。14~15世紀の裂で、紺色に黄茶の色糸で、一重蔓唐草紋に龍が並んだ紋様です。
古賀健蔵著『裂地の話』によれば、紹鷗緞子に関する記録はないのですが、『古今名物類聚』や『和漢錦繍一覽』に、名称が記載されています。
似た紋様の裂に、「珠光緞子」と「宗悟緞子」があります。珠光は村田珠光、宗悟は十四屋宗悟ですね。
息子:「みほつくし」の方には、どんな仕覆が添っているの?
母:「正法寺緞子」と「紹鷗間道」です。
「正法寺緞子」は、五種緞子の一つで、うすい紺地に白糸で、二重蔓唐草に梗・梅鉢・菊花紋が交互に編まれた紋様です。
「紹鷗間道」は、紺地に白糸で千鳥格子風に細かく編まれた裂です。
息子:五種緞子には、「正法寺緞子」以外に何があるの?
母:「白極緞子」「本能寺緞子」「宗薫緞子」「下妻緞子」です。
緞子は、先染めされた経糸と緯糸で、五枚繻子地に三枚綾で文様を織り出した絹織物です。渋めの色で,地は厚く光沢があります。
息子:間道は、どういう裂地なの?
母:さっきから気になっていましたが、「間道」は「かんどう」ではなく「かんとう」と読みます。
名称は主産地の広東地方にちなんだ名称だと言われています。「間道」の間は「混じる」の意味で、道は「筋」、「縞」の意味です。
間道は、格子柄の絹織物ですが、室町時代後半から渡来した外国産の絹や木綿の縞織物を指す場合もあります。
また、唐物茶入の袋に間道を用いるようになったのは千利休からなので、大名物「みほつくし」に「紹鷗間道」が添ったのは、紹鷗時代ではないでしょうね。




