第四章 第三節 天下の四茄子茶入
息子:天下の三茄子には「九十九髪茄子・松本茄子・富士茄子」があり、優れた名物茄子として、他に「曙茄子・七夕茄子・利休小茄子・豊後茄子」がある。
母:茄子茶入の勉強しているのね、感心だわ。
息子:そういえば、紹鷗茄子に「みほつくし」という大名物があるけど、「天下の○○」といった言い方はしないね。
母:言いませんね。ただ、紹鷗茄子は3点あります。そのうち豊臣秀吉に伝来した紹鷗茄子は、『山上宗二記』に「右天下に四つの茄子とは是なり」として、他の「百貫茄子」、「つくも茄子」、「珠光小茄子」と共に名前が挙げられています。
息子:紹鷗茄子の伝来は?
母:松本珠報→武野紹鷗→今井宗久→武野宗瓦→今井宗久→織田信長→今井宗久→豊臣秀吉です。
その後、大阪城で焼失したとも言われています。
『山上宗二記』には「口小形にひねり返しつよく、見事に候。土、薬、是非無く候。惣別、こびたる壺にて候」とあるので、本物を見てみたかったですね。
息子:残りの「百貫茄子」「つくも茄子」、「珠光小茄子」は、名前しか聞かないけれど、どこに所蔵されているの?
母:「つくも茄子」、「珠光小茄子」は、本能寺の変で焼失しています。「百貫茄子」は所在不明です。
息子:今も残っている紹鷗茄子「みほつくし」の由来は?
母:武野紹鷗が、茶入全体に掛かっている飴色の鉄釉と、肩先から裾にかけて白っぽい三筋の釉が流れている様子を「澪標に似ている」として「見本徒久志」と、茶入の底に墨書したことが由来です。
「澪標」は、昔から、難波江の浅瀬に立てられていた水路の標識のことで、よく古歌にも詠われていますね。今は大阪の湯木美術館に所蔵されています。




