前へ目次 次へ PR 34/38 幕間3 弘海は家に帰ると、スケッチブックを広げた。 そこに描くのは弘海の想像の上だけに存在する『とら』に『矢野未希』。 椅子に座る未希の膝の上で丸くなる『とら』。 弘海はひとしきり悩んだあと、その傍らに未可子を描くことはしなかった。 未希の顔は姉妹だからにているだろうと安易な考えで未可子に似せて描いた。 でも弘海には未可子以上に未希のことがわからなかった。 だから完成した絵の『未希』の顔の部分たけをいつものように黒く塗りつぶした。