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05 狂気を身につけてて

【力が欲しいの?】

突然誰かが脳内に話しかけてきた。

「誰だぁ?オメェ…」

【力が欲しいか望むなら貴様に力をやろう】

蝶子に考えている暇などなかった。

蝶子はゆっくり立ち上がる。

血まみれの熊が睨みつけくる。

「よこせ、オメェの力を」

【よかろう存分に楽しむがよい】

そういうと謎の声は聞こえなくなった。

すると漂っていた黒い霧が全て蝶子の体内に吸われ染み込んでいく。

(あぁ体に力が湧き上がってくる。)

突然の変化に熊が一歩後ろに下がった。

「なんで下がった…」

ギロッ

熊を睨みつける。

グオォォォ

蝶子の威圧感に己の最後悟ったのか熊が勢いよく突進してきた。

常人ならあたったら死ぬ前までの蝶子ならその常人と同じようになっていた。しかし、いまの蝶子は違った。左手を前に出す。

「止まれ…」

ピトッ!

熊の動きが手のひらにあたり止まった。

よくみると熊は蝶子の片手で止められていた。

ガシッ

そのまま、熊に触れている手で蝶子は熊の頭を掴んだ。

「はじけろ…」

グチャァ…

粘液のような音を立てて熊の頭が潰れた。

蝶子は目を見開いた。

(…これがあたしの力)

あまりにも強大な力で一瞬思考が停止した。

(これでもう私負けることはない。先輩も守ってやれる。あぁそうだった先輩はもう…)

桜の方へゆっくり歩いていく、すると桜から微かに息をしてることに気づいた。

「先輩っ!」

(まだ息してる!これならちーちゃんが直してくれるかもしれない。)

「先輩、もう少し耐えてくれ」

そういいながら桜の飛び散った肉片と桜も担ぎ全速力で保健室まで走った。

ーーーーー

「ちーちゃん!!いるか!」

「あら、蝶子ちゃんそんなにあわててどうし…早くベッドに寝かせて!」

言われるがままに桜をベッドの上に寝かせる。

「ちーちゃん、先輩はまだ助かるのか?」

「最善を尽くすよ…」

治復は桜に向かい手をかざした。

次の瞬間緑色の光が桜を包み込み傷が治っていった。

「傷が元に戻っていく…」

(私のときもこんなふうに直してくれたんだな。)

そして治療を初めて10分後桜のからだは完璧に元に戻った。

その様子を見て蝶子はほっと息を吐く。治復は明日の上に座り天井を見上げ右手にマグカップを持った。

「ふぅー、多分桜ちゃんが起きるのは明日になる、今日はもう遅いからお家に帰りなさい。」

「わかったよ。ちーちゃんありがとな。」

蝶子は桜の顔を見てから治復の指示に従って家まで帰った。

ーーーーー

ガチャ…

誰もいない家に今日もただいまを言って家に入ると蝶子は違和感に気づいた。

(あたし電気消し忘れたか…)

普段は暗いリビングから光が漏れていた。

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