03 目が覚めて
蝶子が目覚めたのは保健室のベッドの上だった。
「あたしは…」
初めての敗北それも入学初日に起きたことで精神に深刻なダメージを受けた。
身体を起こし気絶する前に起きたことを思い出す。
本来なら勝てていたはずの喧嘩、だが少しの油断で返り討ちにされる。
蝶子の目から雫が流れ落ちた。
「くそ…あんな卑怯なやつにあたしは、あたしは!」
声が荒げながらも叫ぶ。
「あら?蝶子ちゃん起きたのね〜。」
突然閉ざされたカーテンを開けてメガネをかけた女性が話しかけてきた。
「だ、誰だお前…」
少し身構える
「あたしはこの学校の養護教諭をしてる笹原治復気軽にちーちゃんて呼んでくれてもいいわよ。」
「養護教諭?」
「保健室の先生って意味よあなたのお腹も私の能力で治してあげたのよ。」
「おなか…っ!」
ガバッ!
服を捲り腹を見ると大柄の男に殴られた部分にはあざがひとつもない綺麗な状態だった。
「これあんたがやってくれたのか?」
「もぉ〜そう言っているでしょ〜。」
蝶子は綺麗になったお腹をさする。
殴られたことが嘘のように思えてくる。
「ありがとう…」ボソッ
普段お礼を言わない蝶子は、少し照れながら治復にお礼を言った。
「いいのよ、それが私の仕事だから…」
ガラッ
少し重い雰囲気になったとき誰かが保健室に入ってきた。
「失礼します。治復先生おまえになられますか?」
「あら!桜さんもう片付け終わったの?」
「はい何事もなく終わりました。それで彼女の様子はどうですか?」
「さっき起きて身体の怪我も完璧に直しておいたわよ。」
カーテンをめくり1人の少女が入ってきた。
「お、お前は!」
そこには蝶子が逃した少女が立っていた。
「体調は大丈夫ですか?」
「あぁもう元気だ…」
目の前にいた少女はその言葉を聞いてホッとした表情を見せた。
そして頭を下げた。
「私のせいで怪我させてしまって、すみませんでした!」
「別にいいんだよそんなこと。あたしみたいなのは喧嘩しかないんだ…私は負けなしで調子に乗りすぎてたんだ。もっと…もっと私に力があれば…」
「力がほしいのね…」
力が欲しいという言葉に治復が反応した。
「力をすぐに欲しいならいい方法があるわよ。」
「治復先生!新入生にそれは少し荷が重いのでわ?」
「2人でなんの話をしてるんだ?」
蝶子が口を開くと少女と治復は蝶子の顔を見た。
「蝶子さんはこの学校の裏山に神社があるのを知っていますか?」
「初めて聞いたな…」
「そうですよね。実はそこには少し特殊な神様が住んでいて力を分けてくれるのですよ。それでー」
少女は神社のことを説明した。
・力がもらえること
・力を手に入れたものの宿命
「なるほど…心配してくれてありがとな。あたしなら大丈夫だ元々この学校のトップになろうとしてたしな」
蝶子はニコッと笑って少女をあんしんさせた。
「なら決まりだね。今日の帰り連れてってあげなさい。」
「わかりました。蝶子さん今日の帰り校門んの前で待っていてください荷物を持ってきます。」
「あぁよろしく頼むぜ…そういや名前聞いてなかったな」
「私は操蛛桜といいます。ちなみに私も力を持っているんですよ。」
(マジかよ…)
蝶子は桜が能力持ちなことに驚いた。
そして疑問に思うことがあった。
「ん?そういや桜先輩は能力を持っているならなんであのとき使わなかったんだ」
蝶子の疑問に対して桜は口をとじた。
そして治復が間に割って入った。
「蝶子ちゃん、誰もがあなたみたいに望んで力を欲してるとは限らないんだよ。」
「ふーん、なら力を手に入れたら先輩はあたしが守ってやるよ!」
その言葉に桜は顔を赤らめ恥ずかしそうにした。
「頼りにしてますよ。蝶子さん!」
桜は教室を後にした。




