17 師団の拠点(仮)
「なぁセイラお前はどうして本を読んでたんだ?」
団員になったばかりの静願と教室を探している蝶子はなんとか会話を試みようと話しかけた。
「そ、それは…」
途中まで言葉が出かけたが口を閉じてしまった。
「言いたく無いなら別に言わなくていいぞ?」
(あたしも言いたくねぇこといっぱいあるしセイラもそうなんだな。)
「い、いや、言います。実は昨日…入学式の後家で本を読んでいたら本が突然光って…なんでかを解明するために隅々まで確認してました。」
「本が光った?疲れてただけじゃなくてか?」
「か、かもしれません…」
「まぁあたしも昨日と今日で色々あったからなー…。」
本来起こり得ない事が起きたことを聞いて蝶子は半信半疑だった。
ふと視線を感じてセイラを見ると目を輝かせてこちらを見つめてきた。
「ど、どうした?あたしの顔についているか?」
「い、いやちが、違います!!そ、その…あの…なにがあった聞かせてもらってもいいですか?」
どうやら色々あったの部分に興味を持った様だった。
「あー、ならあそこの教室で聞かせてやるよ。」
ガラッと教室の扉を開けると本棚が並んでいる部屋だった。
「と、図書室!?図書室ですよ、蝶子さん!!」
静願の気分がさらに上昇し後半でジャンプまでし始めた。それを見て「よかったな」と蝶子はいいながら心の中では、(ちょっと寒い)と思っていた。
図書室の、奥に行き角の方の席に座った。
「この時間は誰もいねぇんだな。」
「ほ、本当だ…」
周りを見渡すと蝶子達以外には誰もいないことに気づいた。
(ここだいぶいいな…寒い以外。)
「し、蝶子さん!お、おしえてもらってもいいですか?」
「そうだな、始まりは昨日、入学式の最中にトイレで抜け出したところからだ…」
昨日から今までに起きたことをゆっくり丁寧に静願に説明し始めた。途中静願は頷いたり驚いたり色々な表情をだしていた。
ーーーーー
説明がおわり日が完全に落ちていた。
「もう外は真っ暗だな…」
「ほ、ほんとだ…。き、気づかなかった、です。」
蝶子は話しが終わったあと静願の表情が少し曇っていることに気がついた。
「どうかしたか?」
「も、もしかしたら私の本が光ったのは、神様が関係してるんじゃないかと思って。」
静願は自分の本に軽くページを捲る。蝶子はそれを見て驚いた顔をした。
「お前もしかして、その本全部手書きなのか!?」
よく見ると機械で入力した字と違った温かみのある字だった。
「は、はい…私は昔から1人だったので時間が沢山あったので自分を主人公にした冒険の物語を描いてました。」
「へぇー、そっかセイラも1人だったんだな」
「はい…、でっ、でもっ、今は蝶子さんがいます!もう寂しくありません!」
そう言われた蝶子は顔を赤らめた。
誰かに必要とされたのは初めてでそれを堂々と、嘘偽りなく言われたからだ。
蝶子は照れ隠しで静願の頭をクシャクシャと撫でた。
「それで、その本が能力に関係してるのか?」
「わ、わかりません…」
「そうだよな…なぁその本借りてもいいか?あたしに読ませてくれよ。」
「えっ!?い、いやです。」
断られた。
(まぁそうだよな…あたしもきっと嫌がるだろうな。)
「さて帰ろう…」
蝶子は荷物を持って立ち上がる。
「き、教室探しはいいのですか?」
「あぁここは人がいなくていい。だからここをあたし達の師団の拠点にする。まぁ仮だけどな!」
静願と話して図書室を気に入った蝶子は師団のから拠点を図書室にすることに決めた。
「明日さっき言ってた奴らに合わせてやる、休むなよセイラ!」
さあいいながら図書室の扉を開けた。
それを見て静願は急いで荷物をまとめて蝶子を追いかけた。
「ちょ、まっ、まって、お、置いてかないで〜」




