16 師団結成(4)
2人と別れた蝶子はしばらく校内をぶらついていた。
「なんかいい教室ねぇかな…ん?あいつは確か担任の…」
行き先には、生徒を叱っている出部野がいた。
咄嗟に蝶子は柱の影に隠れ盗み聞きをした。
「何度言ったらわかるんだ!本を読みながら廊下を歩くな!今日1日で何度目だ!」
「あ…」
(あーあ、それはあいつが悪いな。)
流石は先生と言ったところかしっかりとダメなことを注意していた。
特に問題はないと思い蝶子はその場から離れようとしたがそうは出来ないことが起きてしまった。
「毎回毎回なんかいえ!」
「ひっ!や、やめ」
出部野は手に持っている竹刀を振り下ろし、生徒は腕を前にして顔を守ろうとした。
スパン!と廊下に響き渡る。
「あ?愛染お前なんのつもりだ?」
勢いよく振り下ろされた竹刀は生徒には当たらず蝶子の手で受け止められていた。
「なぁ?センセーいくらなんでもこれはダメだろ?女子を殴ろうとするとか、あんた教師失格だぜ?」
蝶子は睨みつける。
それを見て、出部野はイライラしながら竹刀を引っ込めた。
「おい読川、今回は愛染の反抗的な態度に免じて見逃すが明日からは無いと思え。お前もだ愛染、もし反抗的な態度を取ってみろ今の一撃よりもさらに強くして叩かれることを覚えておけ。」
「あんたの一撃はいくら強なろうとあたしに怪我を負わせることなんか出来ねぇよ。」
そういうと出部野は鼻で笑い何処かへ歩いていった。
その場に残された愛染は後ろにいる守った女子の方を向いた。
「あ、あの…」
段々と声が小さくなっていく。
それに対して蝶子は頭を撫でる様に軽く手を置き目を見て話した。
「お前はもう少し声を出せよ。何か言っても相手に聞こえなきゃ意味ねぇだろ?」
「は、はい!あ、あ、ありがとうございました!あ、愛染蝶子さん!」
「なんであたしの名前を知ってるんだ?お前、生徒会の関係者か?」
女子は全力で横に顔を振る。
「あ、あたしは、読川静願です…。い、一応1年10組です。」
「お前クラスメイトなのかよ!」
どうやら静願と名乗る少女は蝶子と同じクラスの1人だった様だ。
「あ、あの…助けてもらった、お、お礼をさせてください!」
頭を下げられた。
(あたしにお礼?なにを言ってるんだこいつは、あたしよりも弱いのに…)
「だ、駄目ですか?」
泣きそうな目で蝶子を見つめてくる。
そして、蝶子は折れた。
「わぁーかったよ、だがお前に取って辛いことになるかもしれないぞ。」
忠告を一応する。
しかし、静願を聞いていなかったかのように目をキラキラと輝かせ、大きな声を出していた。
「全然大丈夫です!!」
「…そうかよ。わかった、あんたをあたしの師団にいれる。そしてもしあのデブ教師に殴られそうになったらあたしが守ってやんよ。」
「あ、ありがとうございます。」
静願は勢いよく蝶子に抱きついたがすぐに引き剥がされた。
(そういやこれで師団3人集まったな…1日で集まるなんてあたしは相当ついてる。)
静願が団員に加わったことにより治復に言われていた団員を3人集めろという条件を達成していることに気がついた蝶子は少し口角が緩んだ。
そして、本来の目的であるいい感じの教室を探しを再開することにした。
「セイラ、少し付き合ってくれ。」
「はい!もちろんついていきます!!」




