13 裏山の神社に(1)
夕陽が沈む頃裏山に到着した桜と深夜は山を登り始め、最初の分岐点に訪れた。
「なんか臭くねぇか?」
「臭い…確かにしますね。」
周りを見渡すと首がない熊が転がっていた。
2人はゆっくりとちかずいていく。
「多分これですね。」
「こんなでかい熊の首を潰すなんでとんだ馬鹿力かよ。」
「どうなんでしょう…案外身近な人の仕業かもしれませんね。」
桜は少し震えながらにっこり笑った。
「大丈夫か。」
「はい、大丈夫です。私最近熊に襲われたので少しトラウマなんですよ、熊が。」
「そうだったのか。ならさっさとここから離れようぜ。」
深夜は桜の手をひいて熊が見えなくなるなるまではなれていった。その途中に、桜が「優しいんですね。」と言ったが深夜は顔を少し赤てそっぽをむいた。
その後は、順調に山を登りついに鳥居の前までたどり着いた。
「やっとついたか。」
「はい。ここで賽銭をして神に願うのです。力をくださいって。私はここで待っているので気をつけて行ってきてください。」
「ありがとう。いってくる。」
鳥居を潜り20段ほどある階段を一段ずつ登っていく。
本殿が少しずつ見えてきた。
(かなり立派な建物がこの山の中に隠れてたんだな。)
深夜は感心していた。
本殿の全体が確認できた時あることに気づいた。
(人がいる…)
人がほとんどいない山の神社で誰かがお祈りをしていたのだ。
声をかけようとしたが冷静になった。
もしかしたら能力を手に入れているかもしれない。そしたら今の能力を持たない自分では敵わないことを、昼放課の時にやりあった優楽と悪殺生還のリーダーを見て理解していた。
なので深夜は狛犬の後ろに隠れ参拝者が帰るのを待った。
(くっそ、この学校が普通なら禪院真希のして俺がトップだったんだが…)
そんなことを思っていると足音が近づいてきた。
どうやら終わったみたいだ。
息を殺し隠れ続ける。
すると、突然足音が止まった。
(まずい!バレたか!?)
「こんなところに人がいるなんて驚きました!すみませんが私のサンドバッグになってもらってもいいですか?」
女性の声だった。ゆっくりと狛犬の影から顔を出して様子を見る。どうやら女性は階段の下にいる人物に話しかけているようだった。
(あぶねぇー、バレてねぇ。ん?俺に話しかけていない…なら誰に…)
そこで蝶子に言われた言葉を思い出した。
『桜は絶対に守れ』
そこで気がつく。階段の下には深夜を待つ桜がいることを。
「ま、まて!!」
気がつくと体が動いていた。
「く、熊井さん!?」
「あら?貴方が私のサンドバッグになってくれるのですか!」
(こいついかれてやがる。)
「おい!さっさと逃げろ!」
桜に逃げるよう促すが桜は動かなかった。
「私は大丈夫ですから熊井さんは…」
「ならばこうしましょう。お二人が一緒にサンドバッグになってください…【風:竜巻】」
鳥居を中心に2人は風の渦に閉じ込められてしまった。




