12 師団結成(3)
キンコンカンコン終礼の鐘が鳴る。
「なぁ…」
「わりぃ、あたしトイレいってくるから先に保健室へ言っといてくれ。」
「あ、あぁ」
蝶子は素早く荷物を片付け教室のを後にした。高校初の6限目までの授業、多少の疲労感がある中昼放課の出来事が頭の中で繰り返し流れていた。
(能力の熟練度をあげねぇと生徒会には絶対に勝てない、次本気でやり合ったらあたしが一方的に殴られて終わりだ。第二段階の【むそう】あれさえ身につければ限りなく生徒会壊滅に追いやれるかもしれない…まぁこれも桜に聞けばなにかわかるかな。)
蝶子は手を洗いトイレを後にした。
ーーーーー
「あ、来ましたね。体調は大丈夫ですか?」
保健室に入ると桜が歩み寄ってきて心配そうに声をかけてきてくれたので、蝶子は親指を立てて大丈夫であることをつたえた。
周りを見渡してみると治復がいなかった。
「ちーちゃんは?」
「分かりません。ですが数分後には戻ってくると思いますよ。さっき廊下ですれ違いましたので。」
どうやら治復は帰ってはいないらしい。
「さーて、なにから話す。」
「まずは熊井さんの入団について決めたほうがいいかと。」
「そうだな。」
桜と蝶子はベッドの椅子の上に座っている熊井をみると目が合った。
熊井はベッドから立ち上がり蝶子のまえにきて頭を下げてきた。
「頼む愛染蝶子…俺をお前の師団に入れてくれ。」
昨日と今日の2日間かけて喧嘩をした仲の熊井を見た蝶子は熊井の頭を掴み顔を無理やりあげさせた。
目と目が合う。
「いいぜ今のあたし達には戦力が圧倒的に足りていない。だから全力で貢献して見せろ。」
「感謝する!!生徒会をぜってぇに潰す。」
「よかったですね。熊井さん!」
熊井が正式にメンバーに加わったところに保健室の扉がガラッと開いた。
「ふぅー疲れた疲れた…って蝶子ちゃんに桜ちゃん!いらっしゃーい!!それとあなたは?」
「は、初めまして。く、熊井深夜てす。」
「へぇよろしくね。しんちゃん。」
「お前…深夜て名前なのかよ!!」
「あ?言ってなかったか?」
「初耳ですね。」「初耳だよ。」
初めて聞いた熊井の本名に2人は少し驚いた。
そんななか治復が蝶子の頬をツンツンした。
その指は少し強く怒りが混ざっているような気がした。
「てか蝶子ちゃ〜ん?ここはあなた達の師団室じゃないんだけど〜」
「別にいいじゃねーか、ちーちゃんもあたし達の師団の一員になるんだから。」
「もぉ、それは蝶子ちゃんがあたしに勝てたらの話でしょ〜。それまでは別の所を拠点にしなさい!!」
治復は蝶子の制服の襟を掴み保健室の外に追い出し残りの2人の方を見た。
「私達も外に行きましょう…」「そ、そうだな…」
みんなで保健室を後にした。
「さくらー、なんかいいところあるか?」
「そうですね。静かな場所ならあるのですがそれでも人がいますからね…。あとこれから私は熊井さんを連れて裏山にいこうかなと。」
「裏山?」
熊井は頭にハテナマークを浮かべていた。
「はい今からあなたも能力を手に入れてもらおうかなと」
「本当か!!」
能力が手に入れれるとしり、がっしりと桜の肩を掴んでやや興奮気味に喜んだ。
「は、はい。」
(裏山か…)
蝶子は昨日の出来事を思い出してしまった。
巨大な熊がでて桜が真っ赤に染まる姿。
謎の声から力を授かった力。
そのおかげで初めての友達ができたこと。
「わかった気をつけていけよ。戻ってくるまでにいい場所を探しとくからな。」
「はい!いってきます。それでは熊井さん私についてきてください。」
桜が先に歩き始めそれに続いて熊井も歩き始めたところで蝶子に耳打ちをした。
「おい深夜、桜は絶対に守れ。」
「?あぁわかった。」
熊井はよくわからないと言う顔をしたが頷き桜の後を追いかけた。
「さてと、あたしはあたしのやることをやるか。」
伸びをした後、学校内の探索を始めた。




