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11 力の差

「これは避けきれ…な、」ミシッ…

蝶子の拳が優楽の顔面にめり込みそのまま転がっていく。そして動かなかった体が自由に動き出した。

「やったのか!」

熊井が興奮し嬉々として声を上げた。

「あぁ能力も解けてる。あたしたちの勝ちだっ!」

「やりました、ね…」

蝶子は桜とハイタッチしようとしたが目を見開いていることに気がつきすぐにさっき飛ばした優楽の方を見た。

気絶しているように見える。

そして周りを見る。

蝶子は違和感に気づく。

(あれ?悪殺生還(あいつら)はどこにいきやがった?)

気づいたら悪殺生還のメンバーがリーダーしか残っていなかった。

強い風が吹く。風に乗って誰かの声が聞こえてきた。

「お見事。【かげおくり】」

「ッ!過剰な力(オーバーパワー)!!チッ」

蝶子は優楽の体を拳を叩きつけた。

が、そこには優楽の体はなかった。

パチパチ…

「よく分かりましたね。それが幻だと。」

「なっ!なんで無傷でそこに立っていがる!!」

「熊井さん、抑えてください。多分次は本気できます…。」

冷や汗も流しながらも桜は熊井をなだめる。

その2人を守るように蝶子が前に立ち塞がった。

「桜さんそんなに警戒しないでください。私はこの使えない集団を回収しにきただけです。」

優楽は男に手をかざす。すると、影の中に徐々に体が沈んでいき完全に影に飲み込まれるのを確認した後、優楽も影の中に沈み始めた。

「おい待て!逃げんな!過剰な力!!」

「馬鹿の一つ覚えですね【影踏】」

逃げる優楽を逃すまいと蝶子は殴りかかるもまた動きを止められてしまい。完全に沈むのをただ見てるだけになってしまった。

そして、体育館裏には3人だけが残された。

床に拳を叩きつけ蝶子は悔しがった。

「くそっ!逃しちまった。」

「蝶子さん…」

桜が声をかけようとしたがやめた。

(力の差がありすぎたなんていったら蝶子さんは…)

桜の代わりに熊井が口を開いた。

「おい今は教室に戻ろうぜ、昼放課がもう少しで終わっちまう。」

それを聞くと蝶子は静かに立ち上がりその場を去った。

「熊井さん、入団のことは放課後改めて話し合いましょう。」

「あぁ、よろしく頼む。」

桜と熊井も蝶子の後を追うように校舎に向かって歩き出した。

こうして長い昼放課が終わった。

ーーーーー

電気が消えた暗い部屋の中約10名の男たちが床に正座していた。

「申し訳ありません!!副会長様!!」

男たちの前には仮面をつけた優楽が腕を組みながら見下ろしていた。

「能力を手に入れてから24時間もたたない者に破れるなんて、生徒会の顔に泥をぬるような真似をしておいて謝罪だけですむとでも?」

制服の胸ポケットから一本の注射を取り出して針で男の首を撫でる。

「そ、それは!」

男の顔が血の気が引いた。

「そうです。これは能力をさらに強化するためのクスリ一度あなたはこれを使用しています。」

「ま、まさか!?や、やめてくれ!!」

「もう一度チャンスをあげます。次失敗したら分かりますね。」プスッ…

「ガッ…あ、あぁ」

「「リ、リーダー!!」」

学校の一室で悲鳴が廊下まで響きわたった。

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