09 師団結成(2)
昼放課になり蝶子は桜と合流してから体育館裏まで行くとそこにはすでに熊井が立っていた。
熊井も蝶子が来たことに気づき目つきが鋭くなった。
「ちゃんと逃げずにきたな。それも足手纏いを連れてきて。」
「そういうテメェは今回は子分なしで来たんだな。一度あたしに勝ったからって調子にのりすぎじゃねぇのか?」
「…」
熊井は一瞬何かに反応したがそれを感じとったのは桜だけだった。
蝶子は構える。熊井は軽く腰を低くした。
「先に気絶したら負けな?」
「さっさとこいや!」
蝶子が一歩目を踏み出そうとした瞬間突然後ろから足音が聞こえてきて振り返った。
「おいおいなんだぁー貴様ら!俺らの縄張りにズカズカと入ってきて…ボコられテェのか!!」
ぱっとみ10人ほどの集団。
「くっそ邪魔が入ったか…桜こっちにこい!!」
蝶子がつぶやき桜を自分の後ろに隠す。
「なんだお前ら?」
「俺らは生徒会に従う不良師団【悪殺生還】お前らを生きてはかえさねぇ!!」
熊井は蝶子の横に来て叫んだ。
「お前ら!なぜ俺から離れた!!」
よくみると集団の中には熊井の子分の2人が入っていた。なぜ昨日は隣にいた子分が今日はいなかったのかに蝶子は気づいた。
「まさかお前、裏切られたのか?」
「違う生徒会のせいだ。」
違った。蝶子は顔面を殴ろうとしたが踏みとどまった。
「生徒会があいつらを不良集団の師団に入れやがった。」
「また生徒会かよ。」
「この学校では生徒会の言うことは絶対ですからね。師団に入っていない人たちはほとんど逆らえません。」
「あぁだから俺は師団に入ろうとしたが全部断られた。全員揃いも揃って能力がなんとか言いやがって!!」
「ならあたしの師団に入るか?今人手が足りてないんだ。」
悔しがる熊井に蝶子は声をかけた。
しかしそれを見ていた不良集団たちはは鼻で笑った。
「お前みたいな1年坊が師団だぁ?寝言は寝て言、なっ…消えた!?」
「うぎゃー!」「!?」
突然蝶子は全員の視界から外れた。
そして不良集団の1番後ろから叫び声が聞こえ全員が振り返る。
「おせぇな…」
「まさかお前もそっち側かよ。」
「さぁな…」
そしてまた姿を消した。
「2人は残した。熊井あとはお前次第だ。」
熊井は目を見開いた。
「夢なのか…」
「夢じゃないぜ。」
3人で気絶した人の山と2人を見た。
「「…ッ!!」」
油断していた。突然山の中から光が反射しそこからナイフが桜を目掛けて飛んできた。反応できたのは蝶子と熊井。
(クソッとどかねぇ!!)ザクッ!
「さくら!!」
名前を呼ばれた桜は反射で目を瞑る。
赤い液体が飛び散る。
目を開けるとナイフが顔の目の前で止まっていた。
(あいつが守ったのか!!)
「く、熊井さん!て、手から血が!」
熊井の手にナイフが貫通していた。
「い、いってぇな!ちくしょう。」
カラン…
手からナイフを抜いた。
「蝶子、ありがとう。あの2人とけじめをつけてくる。お前は敵の大将を仕留めろ。そして全部終わったら俺をお前の師団に入れやがれ。そして俺が生徒会を潰す!!」
「あぁ入れてやるよ。だが生徒会を潰すのはこのあたしだ!!」
蝶子と熊井、2人で前に歩き出した。
ーーーーー
「あたしの相手はお前だ!」
「女、全力で行くぞ!!【カマキリ】」
男は手刀を構え、腕を振った。
次の瞬間、風圧で吹っ飛ばされた。
「これが能力の第一段階、そしてこれが第二段階いつかお前も使えるようになるかもしれんがその芽を潰すのが俺ら【悪殺生還】が生徒会から出された使命だ。」
男は飛び跳ね、急降下し蝶子を目掛けて襲いかかった。
「【無装:カマキリ】!!」
(手が鎌みたいになって…)
「蝶子さん!!避けて!」
ーーーーー
一方その頃、熊井は元子分2人の前に立っていた。
「お前ら俺の元に戻る気はないか。」
熊井は2人に対して静かに問いかける。
「俺らはもうあんたには従わない。」
「あんたは弱いんだ。新しいボスの方がずっとあんたよりも強い。」
「そうか、ならお前らとは今日で絶好だな…」
熊井はどこか寂しそうにしながら2人に殴りかかった。
昔から2人相手にこの一撃で勝てていた。
しかし、今回は違った。
ザシュッ ザク
「確かに俺らは拳じゃあんたに勝てねぇ。」
「だから使わせてもらうぜ。」
そう言いながら血のついたナイフを構えてきた。
(くそが、刺し傷2つと切り傷1つ場所にもよるが喰らいすぎると確実に勝てなくなる。)
「【糸:縫合】」
突然、熊井の傷口が縫い合わさっていくのが見えた。
(なんだこれは…!?)
戸惑う熊井の後ろから桜が歩いてきた。
「わ、私のせいで怪我をさせてしまっても、申し訳ありません。お礼と言ってはなんですがて、手助けします。」
(確かこいつは2年の…)
「いや大丈夫だ礼ならこの治してくれたやつで十分だ。おまえは隠れてろ。」
「そ、そうですか…。傷口は完治したわけではありません。決して無理しないでください。」
「あぁ、わかった。」
そして桜はその場を離れていった。
熊井は深呼吸する。
(傷は痛まない…これならいつも通りに)
そして、
「うらぁ!」拳を振る。
ナイフで再び刺そうとしてくるもそのナイフは熊井の拳に当たりは元から飛んでいった。
「「ヒィーーー!!」」
刃がついていない柄を握る2人はどうすることもなく立ち止まってしまった。
「お前ら今までサンキューな!」
そんな2人の顔面に熊井は容赦なく拳を叩き込み気絶させた。
こうして、熊井は子分と決別し蝶子の師団に入ることに決めた。




