事件②
ダンジョンの中で、激しい戦闘の音が響いていた。
「俺らも中々強くなったな」
「もう!ランスくんったらそんな事言ってたらすぐにやられるよ!?」
「まぁまぁ2人とも…一旦落ち着いて……」
「たしかにな。こいつの言う通りだ」
「おいおいお前らまで………って誰だあんた!?」
おや。気づかれたか。
当たり前か。
「君は……確か昨日の……」
「あぁ。俺はバイオ・ドールと言う」
「なんで……ここにいるのかな?このダンジョンは僕らが受けたんだけど……」
「着いてきた。お前らの仲間になりたくてな」
「そう…?それならそう言ってくれたいいけど…」
「おい待てよフォビア」
フォビア?このリーダーの名前だろうか。
「こいつ、見るからに怪しいぜ」
「ランスくん!だから人を見かけで…」
「うるせぇ!それに、その顔もなんかムカつく。んだよその…冷たい目は!?」
「………別に。軽蔑してる訳では無いぞ」
「嘘だろ絶対!」
「本当だ。もし軽蔑してるのなら、お前らに近づかないからな」
「あぁそれはどうも。で?俺らのパーティに入りたいとか言ってるが……そうには見えねぇな」
勘づかれたか。こういうのは1番騙されやすいと思ったんだがな。
2人は止めたそうにしてるが、一理あるのかきいてるかんじだ。
「俺は人を見ただけでどんな奴かわかる。戦士の感、てやつかもな。こいつらは良い奴らだ。だけど、お前からは何も感じられねぇ」
………まさか、ここまで気づいてるとはな。
諦めて本当の目的を話すか。
そうしたら、まぁ追い出されるだろうな。それなら、また別の機会にすればいい。
「わかった。ならば離れ……」
「ちょっとランスくん!」
僧侶と思わしき女が戦士の頭を叩いた。
「いってぇな。なにすんだよ!?」
「ここはCランクの任務だよ!?1人にしちゃあぶないよ!」
「そうだね。勝手に着いてきたことは悪いことだけど……でも、この人を置いてはいけない」
そういうと、フォビアはこっちを向いた。
「どうかな?報酬はあげれないけど…この任務が終わるまでは一緒にいてあげる。パーティに入るのはその後でいいかな?」
これは驚いたな。
まさか、得体の知れないものを保護するとはな。
「わかった。ならついて行こうか」
「うん!あ、自己紹介がまだだったね。僕はフォビア。フォビア・レングシ」
リーダーの男がそう言った。
「私はユリ・アーレン。見た通り、僧侶だよ」
僧侶がそう言った。
戦士の奴は頑なに言わなかったが、諦めたのか名乗った。
名前はランス・ライスと言うようだ。
そうして、次々にダンジョンを進めていた。
そして、ボスの所まで着いた。
ボスは、オークジェネラルだ。
みな、威圧に押されそうだったが、堪えていた。
「よし!みんな行くよ!」
フォビアの掛け声と同時に、全員飛び出した。
数十分の死闘の後、オークジェネラルを倒した。
「やったぁぁぁ!」
ユリがそう叫んだ。余程嬉しいのだろう。
「これでギルドの資金が集まったね」
「ん?ギルド?」
「あ、言ってなかったね。実はギルドを作るって昔から話していて……」
なるほど。その資金集めで昔から一緒にいたようだ。
資金を聞いたら数千万以上かかるそうだ。
だが、今回の任務で達成したようだ。だからみんな喜んでるんだな。
だが、クリアしたらどうしようもないな。
なら、このまま別の機会にでもとって………。
その時、何かを切る音がした。
「ん?」
ユリの声が消えていた。
ユリの方を見ると、首が飛んでいた。
血飛沫を上げながら、その体は倒れた。
「ほう」
〈〈ユリ!?〉〉
フォビアとランスが同時に叫んだ。
「なんで!?ボスは倒したはず……」
ツメが甘かったか。ボスを倒しきれてなかった。
いや、中途半端に攻撃してたせいで、逆に怒りを買ってしまった。
《暴走状態》と呼ばれるものがある。
それが今のオークジェネラルだろう。
「クソ!やろう!」
「待ってランスく__」
次に、ランスがやられた。上半身を殴り飛ばされた。
「!みん__」
最後に、フォビアも殺られた。
全員、死体は酷いが死に方はまぁ良かっただろう。
燃やされる事もなく、溺れる事もなく、爪を剥がされる事もなく、一撃で死ねたのだから。
さて、と。
このオークを倒すのにゴブリンだけでは事足りないかもな。
「____《発動》」




