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神様のアルバイト

 雪が降ると参拝客が激減します。


 というかゼロです。


 ぐ~。


 神様のお腹が鳴りました。


「もう十日も食べてない……。もう無理ぃ。はッ!? そうだわ!」


 そんな時神様は自らお供え物を求めてアルバイトに出かけるのです。



 ◇ ◇ ◇



 ふもとの旅館、白鳥の館。


 この中にある「小豆の間」が神様の職場です。


 アルバイト初日の夜。


 一人の男が床に就いています。


 枕元にはおしるこの缶ジュースが置かれています。


「久々のごはん! いただきまーす!」


 神様はそれを飲み干すと眠っている男の夢に干渉し――。


「おしるこのお礼に人生のアドバイスをあげるわ。おしるこはよく振ってから開けなさい。あとコーンポタージュもね」


 どうでもいい助言を聞かせるのです。



 二日目。


 この日の泊り客はテレビの企画でやってきた芸人のようです。


 パンツ一丁のその男には悩みがあるようです。


「僕の悩みを聞いてください――」


 男はけん玉を極めました。


 世界大会チャンピオンにもなりました。


 でもあまりぱっとしませんでした。


 いつまで経っても売れない芸人だったのです。


 そんなある日。


 酔った勢いでパンツ一丁になってけん玉を披露したら何故かウケました。


 今ではテレビ局から引っ張りだこ。


 レギュラー番組32本。


 CM58本の超売れっ子です。


 しかし男は大の寒がりなのです。


「僕はもう裸芸を辞めたいです。服を着ても良いでしょうか?」


 枕元には小豆ロールケーキが置かれました。


 その日の夜。


「あなたはまだ服を着ない方が良いわよ」



 三日目


「そろそろガッツリしたごはんが食べたいわねー」


 そんな事を呟いていると。


「今年もまたここへ来てしまいました。今回もよろしくお願いします」


 今度の泊り客は常連の太客ふときゃくです。


「やった! 期待しちゃうわよ!」


 その日の夜。


 男はテーブルをセッティングしました。


 カバンの中から次々と美味しそうな料理が出てきます。


 神様はもうよだれが止まりません。


 料理は次々と出てきます。


 まだまだ出てきます。


 そんな事をしている内に……。


 コケコッコー!!


 夜が明けました。


「いけない! このままでは食べる時間がなくなってしまうわ!」


 お土産は泊り客が寝ている間に食べなければならないルールです。


「てい!」


 神様は半ば強引に太客を気絶させると。


「早く寝なさい!」


 説教してから料理を急いで平らげました。



 四日目。


 なんとこの日も同じ太客でした。


「も~! だったら昨日、急いで食べなくても良かったじゃないのよ!」


 その日の夜。


 枕元には老舗銘菓のおはぎが置かれました。


 この日の太客はすぐに寝ました。


 神様はすぐに夢に干渉すると。


「あえて言うわ。スイーツは別腹よ」



 これが神様のアルバイトです。

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