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悪霊退治に300万!!?勇者なら一太刀で終わります。   作者: sisousi.kenta


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18/19

勇者の帰還①

私の目に燃える鉄棒が迫る。

小夜様の父、私の伯父。


「メラメラクラクラ、イヒヒヒヒヒ」


伯父はそう唄った。


悪霊がついている。

弱い悪霊は完全に意味の分からない言葉をつぶやく。強い悪霊はまるで人のように。


本当に強い霊は唄う。

悪霊でも、精霊でも。


唄う霊には人は近づいてはならず、こちらから近づかなくとも目をつけられれば逃げられない。


人の運命など簡単に操る存在。

カラカラサラサラが小夜様と2人の水子だと言う事を、だから師匠は気が付かなかった。


「助けて下さい」

私は泣きながら許しを請う。

ご隠居も伯母も私の両親も殺された。


唄う程の悪霊にとってはただの遊び。

伯父の心、いや、一部の思考の欠片をわずかに残し、一番憎い私を後回しにさせた。


うまいものは最後に・・・。


「メラメラクラクラ、グフフフフフ」

精霊は伯父の体を借り唄う。


私は目をつぶる。熱がまぶたを焼いている。


「ギィ゙ァァァァァァ」

鉄棒で貫けば私は死ぬ。

けれど奴は私の目を焼くにとどめた。


「ユウリちゃん!!」


師匠が叫び走る。

家の中の事、わずか数メートル。

急に手を離された小夜様は手を突き倒れた。





勇者の亡骸は地下に安置されている。


私は勇者の死体を確認する。

死体は綺麗なままだった。

勇者としての聖なる気とやらでもあるのか腐りはしていない。


私は目は見えないが、鼻は効く。

また今はキラキラ チカチカと唄う精霊の唄声の反射を聞き多少は様子もわかる。


「キラキラ チカチカ」

私の隣で精霊が唄うが誰もきづかない。


「この状態でしたら3日程度で動けるようになるでしょう。」


争いを避ける為。

内乱を避ける為。


勇者は記憶と心と力を残したまま別の魂を入れられる。


「ありがとうございます・・・、ありがとうございます。術師様。」


王が私の手をとりすがりつきなく。


私は手を離した。

私はあの時、師匠から手を離した。


今は王の手をとっている。


私があの時縋り付けば2人は離れなかった。

小夜様の執着は師匠ではなく私。


2人なら師匠は殺されなかったのではと未だに思う。









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