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Fate  作者: 朝夜鯨
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タイトル未定2026/06/08 21:35

「はい!そうです!俺があなたのマスターです!!そんで、助けて」

「なんだ?情けない。こいつが俺の主人かよ。まぁ、こりゃ酷え有り様だからしょうがないが、マスター…死なねえよな?って、失神してら。いや、死んだ?うーん。まぁ生きてるってことにしよう」

それでいいのか、と失神しながら思った。


一方、有間宅

「フン!」

象に乗った男が剣を振り下ろす。それを棒振りはいなし、象に鋭い蹴り。象が暴れる間もなく吹き飛んだ。その隙を狙い、棒振りとそのマスター、時南が有間とそのサーヴァントを追う——————。


「いてて。随分飛んだなあ。わりいなマスター。逃がしちまった」

見るからに古代の人間がスマホを使って言った。

「———うん。見ていたよ。大丈夫。焦らずいこう。ゴホッ、ゴホッ…戻っておいで」

「あいよ」

そういうと男は象に跨り、空を駆けた。


2026年6月6日1時05分

「なぁ、お前魔術使いだな?いや魔力を持ってるだけか?どっちでもいいが、こいつを助けてくれねえか?報酬ははずむぜ。こいつが」

闇が濃くなり、霞がかってきた夜。人は有間と魔力持ちしかおらず、街灯と自販機だけがか細く佇んでいる。

「なん…ですか?ここは…どこ…だ」

「ここは日本だ!」

「ここが?日本?俄かに…。あっ、それより御仁、助けてほしいと言っていたな。今は乱世。だが、いやだからこそ、主君なき今、私とあなたは仲間同士。手を取り合おうぞ」

「お!話のわかる奴。じゃあ頼む」

「…こりゃ酷い。どうやって治すか。薬の類じゃ無理そうだ。うーむ。しょうがない。数が限られてるので全て治すことはできないが、それはご容赦を」

男が何かを取り出した。

「なんだそれは。札か?」

「ええ。我が家に伝わる札です。早く治しましょう。亡くなってしまう。

———雷よ。癒せ」

「簡素だな。…ん!?」

有間の体の傷が見る見るうちに塞がり、足が生えてきた。

「これで大丈夫」

「ありがとう。感謝するよ。でよ、ちょっと聞きたいことあるんだがいいか」

「はい?」

「お前、ここの人間じゃねえな。そんで、その手の紋様なんだ?」

「紋様?ん?なんだ、これ。あれ、そういえば何かに話しかけられたような。ていうか…信長公は何処へ。御仁、信長公がどこにいるかわかりませんか?」

記憶が徐々に、断片的に戻ってきて混乱している状態か。それに、信長という名。そしてこの服装。間違いない。過去からの来訪者!!だがなぜ、この男に令呪が。それに先程の札の魔術。謎が多い。

「すまん。知らんな」

「そうですか…」

男は剣に手を置く。今、この男の首を刈るか。……マスターが起き上がった時に謝ろう。

「見つかるといいですな」

「あはは。そうですね。でも、なんか不思議な感じですね。ここ、日本じゃないみたいだ。時でも駆けたか。それとも、逃げてきただけか…」

「何か、思い当たる節でも?」

「いや、ないです。…このご縁に二つ質問してもよろしいですか」

「ええ」

「まず一つその方はあなたの主君ですか?」

「ええ」

「もし、主君が死ぬかもしれないとして、あなたが全てを投げ捨て、数100年未来に、不確定な未来に逃げれば助けられる、かもしれないとしたら、あなたはどうしますか?」

「うーむ。俺は今までずっと主君の側だったからわからん。が、もし此奴が俺が命を賭けてもいいと思える主君ならば、どれだけ、時間がかかろうと、それは真っ暗で不安定な道だとしても、進む。進むだけだ。主君と運命を信じてな」

「信じることより怖いものはない」

「だが俺は人だ。信じるしかできない」

「ありがとう。御仁。———私の名は大江秀頼。第六天魔王こと、織田信長公に仕える者だ」

「そうか」

「私も進むよ。この先どんな辛いことや困難が待っていようとも。御仁、何かの縁だ。これを」

「いいのか?数が少ないのでは?」

「構わない。君たちに幸せを」

「感謝する。俺も君の夢が叶うことを願っているよ」

「夢…か。確かに。ふふ。また、縁があれば会えましょう。それでは」

大江は去った。


2026年6月6日3時56分

熱い。熱い。血が、熱い。痛い。

————何か、産まれる。

「大分探して見つからなかったが、まぁ結果オーライだろ。なぁ、マスター」

「ええ。でも、この人、現代人じゃない?」

大江は喉が焼き切れるほどに叫んだ。全身が真紅に染まり、血管がぶくぶくと蠢いていた。マスターとサーヴァントがいるというのに、白目をむいて血涙、鼻血、吐血しながら天に向かって雄叫びを上げていた。すると次第に頭を抱え込み、泣き喚いた。血管の流動が激しく進んだ。腹がボコボコと音をたてて膨張した。

「なんだ?君悪りぃな。早くやっちまおう」

「ええ。そうね…」

棒振りが膨らんだ土手っ腹に向けて棒を突き立てた。

確かに当たったはずだ。感触もあった。腹が爆ぜた。そのはず。棒振りは突いた棒の先端を確認する。

確かに血は付いてる…。だが現実、生きてやがる。寧ろ元気になったんじゃねえか。なんだ?気色悪ぃ。

「ランサー!後ろ!」

「ん?」

ギリギリのところで高速の弾を避ける。誰がなにをしたのか。棒振りの目には揺ら揺らと揺蕩う奇怪な女、いや、化け物が映った。

まじかよ、気持ち悪いのに気取られてだが、こいつはやべえ。というか、何処から現れた。今まで全く…。

………まさか、産んだ?

あのでけえ腹が今は爆ぜて消えてる。そんなことできんのか?マスターがサーヴァントを産むなんて芸当をよ。

「なぁ、マスター。確認だが、マスターって存在はサーヴァントを産めるのか?」

「普通、無理。普通…」

「死ね」

化け物の背後からゲートのようなものが三列に並ぶ。そこから、轟音を立て、死を与える光を放つ。

「取り敢えず、やべえってことはわかった」

棒振りが鎧と棒で全て受け流す。

「死ね。シネ。しね」

「やだね。だから、逃げるぞ!マスター!」

「逃げんの!?」

「わからないことが多すぎる。別にやってやったっていいがマスターが死んだら元も子もねぇ。だから一旦、退く」

「うっ。…分かった」

「よし!じゃあ、こい!筋斗雲!」

金色の雲が空から飛んで迎えに来た。棒振りはマスターを抱え、雲に乗った。そして、そのまま上は上へと距離を取った。絶対に届かないであろう上空まで行った後、拠点である時南の屋敷へ。

「まて。コロ、すぞ」

空間から光を出し、地面に向ける。魔力を一点に——

「ホ、うグ…」

「お願いだ…。止まって下さい。我が君」

大江の右手が歪に光出す。そして、紋様の一つが、消えた。


「危なかったわね。ランサー」

「ランサーなんて味気ないこと言うなよ。ここには誰も居ないんだぜ。俺にはちゃんと孫悟空って、立派な名前があるんだからよ」

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