タイトル未定2026/06/07 21:25
Fateの二次創作
—— プレゼントだ——
「はぁはぁはぁ。嫌だ。怖い。痛い。痛い。死ぬ。はぁ。死ぬ。死。死ってなんだ。死ぬ?俺死ぬのか。なんで。もう少しだったのに。死ぬのかよ。こんな、、、信長公、僕は…」
駄目だ。今はとにかく、走れ。
——プレゼントだ。運が良かったな——
「なんだ。誰だ。誰の、一体誰の声だ。おい、なんとか言っ…。なんだ、この黄金の器…。盃か?一体どこから。いや、どうでもいい。今はとにかく逃げなくてわ。ん?なんか光って…」
2026年 6月 5日 22時11分
過去からの来訪者がここ日本へ、聖杯とともにやってきた。
男の右手には、令呪が…
2026年 6月8日 16時57分
「はぁぁぁぁぁ。今日も疲れたー」
大きく丸い眼鏡を付けた男、有間がため息混じりに言った。
「おつかれー」
「ういー」
同級生もみんな疲れてそうだ。
「なぁ、有間。カラオケ行かね?」
「月曜からかよ。あーーーーー。どうしようかなあ。行きたくはある」
「じゃあ決まりな」
「決まってなくて」
「決まってて」
「いや、今日はなんか違くね。月曜だよ?」
「まぁ暦上そう言われている」
「学校はその暦に則られてる」
「わかった。ちょっと待て」
5分が経った。
「よし、有間。カラオケに行くぞ」
「待て待て。何が起きた」
「聞いて驚け。なんと、女子が来ます。しかも、先輩もいます!」
「…本当か?」
「本当です。しかも、その先輩とは」
「いやそうだよな。そこ重要だよな」
「…いや、まず、同級生も来るからそっちから発表しようかな」
「あー。おけおけ。余裕で重要」
「なんと、結城さんたちが来ます!」
「結城かよ」
「お前ら幼馴染だからあんまり特別感ないかも知んないけど、先輩に負けず劣らずの人気だぜ」
「いやええて。早よ先輩教えて」
巻き舌でドラムロールをする。
「…時南さん、来ます」
「お前…よく呼べたな!お手柄だぞ!」
「そうだろう。そうだろう。結城さんと時南さんっていう学校TOPのマドンナが同じカラオケボックスにいるって、夢かなんかだろ。普通に革命」
「行くか…」
「よし、決まり!」
自転車を漕いで20分。集合場所のカラオケ店に着いた。
「もうみんな入ってるって。早よ行くぞ」
「ういー」
カラオケ店へ。
「すんませーん。遅くなりましたー」
「すんませーん」
時南先輩、本当にいる。破壊力というかなんというか、凄いな。めっちゃ美人。それになんか、大人だ。正直ちょっとエロい。いや、決してやましい意味ではなく。
「おう。来た来た」
「悪い田中。待たせた」
「じゃあ、廻。歌ってよ」
急に結城がマイクを渡すように向けてそう言った。
「なんだ急に」
「久々に廻の歌聴きたいなって」
「私も聴いてみたい」
「え、時南先輩。マジすか」
「うん。マジ」
時南先輩との関係は結城繋がりに過ぎない。それなのに、関心を持ってくれているのか。
「歌わさせていただきます」
「…」
結城がじっと有間の顔を見る。
「広い宇宙の〜」
なんだこれ。時南先輩、めっちゃ見てくれてる。楽しい。結城はもっとはしゃげ。冷めるぞ。いやでも楽しい。
歌っている最中、
「なぁ、なんかあいつの右手、変な紋様あるくね?」
「なんだ?タトゥーデビューか?学校で禁止されてんのに」
「いや、時南先輩をおとすためのファッション説」
「それならマジでおもろい」
男どもがゲラゲラと笑ってる。なんだこいつら。
「…」
歌い続けて、もう三時間は経っただろうか。喉がピリピリとしてきた。喉を潤すようにコーラを一口。すると、その腕をちょんちょんと時南先輩が突いてきた。
「なんですか?」
「ちょっと抜け出さない。抜け出して、別の部屋で二人で歌おうよ。もう、部屋も取っちゃった。嫌、ならいいんだけど」
「行きましょう。すんませーん。ちょっとトイレ行ってきまーす」
周りにバレないよう最善を尽くし、最速で別の部屋へ。やばい。心臓の音が鳴り止まない。俺の歌か?歌ってる様相か?完全にきてる。これは付き合えるんじゃないか。
二人だけのボックスは暗くて、ミラーボールだけが踊っていた。
「なんか歌う?」
時南先輩が優しく囁くように言った。
「い、いや、じゃあ喋りましょう」
「ふふ。うん。いいよ」
「え、えっと、あの、聞いてもいいすか」
「?うん。いいよ」
「あの、なんで部屋離れて、俺と二人っきりになったんすか」
「うーん。こうして有間くんと喋りたかったから」
先輩が上半身をこっちに傾ける。吊られるように体を近づけた。ソファが擦れる音がした。
「え、せ、先輩。きょりっ」
「ねえ。君は私のこと、どう思ってるのかな」
先輩が手を俺の膝に置いた。
「お、俺は先輩のこと、す、好き、です」
「本当かな?そう言ってるだけかも」
「い、いや、そんなことありません」
「じゃあ証明してみて」
「え」
裏返ってしまった俺の声に先輩はクスクスと笑った。
顔が熱い。慌てて顔を隠そうとすると、先輩の手がにゅるりと右手に、指同士が重なるように絡みついた。そして、体を俺に押し当て、擦り、膝の上に跨った。そして、服の上から弄ってくる。
「ねぇ。照れてる?可愛いよ。わっ、なんか当たってる。でも好きなら、純粋な目で見れるよね」
と耳元で囁いた。いや、無理だ。無理無理無理。ん。てか、なんか耳が。
「せ、先輩、なにしてるんすか」
「有間くん。口開けて。ほら、あー」
「?あー」
先輩が指を入れてきた。
「ふふ。可愛い」
「うあ?」
「見て、この紋様」
「紋様?」
「ん。ふーん。ねぇ有間くん。ちょっとごめんね」
そう言い、俺の頸動脈あたりを吸血鬼のように噛んだ。そして、そのまま俺の指を咥えた。エロすぎて意識飛びかけた。これは、今日、できるかもしれない。
”卒業”
先輩が急に口から指を離し、俺の左手を両手で掴み、
「ねぇ、この紋様。どうしたの?」
「紋様?ん?なんだこれ。誰かの落書きっすかね。そんなことより早く続きを」
「知らないの?」
「ん。ええ。全く」
「そう。もう茶番はいいか。じゃあエッチはこれで終わり。じゃ、話の本題いくね」
「いやいやいや。流石にそれは酷ですって。いやマジで」
「じゃあ、魔術かけるから。一時間くらい性欲抑えてよね」
「は?え?」
「もういいかしら。仕組みもさっきのエッチで済んだし」
「なんか、萎えて…」
「じゃ、聞いてね。何も知らなそうだから特別に教えてあげる。偶々紛れただけなんだろうし、同じ学校ってことで。いい、よく聞きなさいよ———これは令呪。召喚したサーヴァントに対して三回、命令を施行できる。言わばマスターの証。あなたはこの地で起きる聖杯戦争に呼ばれた。あなたは、あなたの意思関係なくこの戦争に参加しなければいけない。命を懸けてね」
なんと言ったらいいだろう。こんな、突飛で急な話なのに、セックスしたいのに、この人の言葉に圧がありすぎる。不思議な感覚だ。脳内に直接喋りかけられてるような。いやでも、
「待ってください。待ってください。何を言ってるのかさっぱり」
「あとは、サーヴァントを召喚するには聖遺物っていう、サーヴァントの形見的なものが必要ね。魔法陣もか」
「いやあの、命を懸けるって?聖杯戦争って?」
「聖杯…それは聖なる願望器。大抵の願いを叶えてくれる機械だと思ってくれればいいわ。ただ、それを手にするためには、選ばれたマスター同士でサーヴァントを用いて殺し合わなければならない。あなたはその一人に選ばれた」
「いや、俺選ばれるようなことしてないっすよ。てか俺、殺したくないし、殺されたくも、ないんすけど」
「さぁ。バグなんじゃない。普通、聖杯戦争なんて起こらないはずなのよ。それが突如として現れた。異常事態なのよ」
「てか、それが本当だとして、なんで先輩がそんなこと…」
「私も、マスターだからよ」
「!?それって、俺、もしかして先輩と」
「そうなるかもしれないし、ならないかもしれない。まず、私もまだサーヴァントを召喚できていない」
「先輩。単刀直入に聞きます。この戦いに参加するってことですか?」
「勿論よ。魔法使いとして参加する以外、選択肢なんてないわ」
「魔法使い?」
「あー。そうそう、マスターとなれる人間は魔力を持った、魔法使い。または、魔法使いの家系の人間よ。だから有間くんの血統を辿ってけばいるんじゃないかしら。魔法使い」
「先輩も、人、殺すんですか」
「…うん。って言ったらどうなるの」
「…なんで、その聖杯とやらを求めるんですか」
「なんでだろう。そういう風に元々作られてるのよ。私。本当は第6次に参加する予定だったんだけど、色々あってその使命がなくなって、普通の高校生みたいに、青春をする羽目に…なったりして、使命を忘れてしまっていた。でも、これが運命。私は、魔法使い」
決意ある目でじっと見つめられた。
「…今日は、帰ります」
一体、なんだったんだ。なんの証拠もないのに、何故か確証が持てる。もし、本当に聖杯戦争とかいうのが起こったとして、俺も、誰かの命を奪い、時には奪われてしまうのだろうか。…まずは、うちの家系図から調べるか。
「うわ、なんだこれ」
家に着き、家系図を調べようとすると、家系図に燃やされた跡があった。
「だいぶ前に燃やされてるな。なんでだ。見られたらまずいとか。もしそうなら魔法使いと言われてもまあまあ納得できる。…あーくそっ、考えても拉致あかん」
「まさか、有間くんがマスターだったなんて」
時南咲楽は一人、帰路でごちる。
「彼を聖杯戦争に…酷ね。かといって防ぎようもない。どうやら、突然の聖杯戦争で聖堂協会も時計塔も動けずにいるらしいし。…私が、彼を守らなきゃ」
家に帰るや否や、金庫から何やら書物を取り出した。そして、部屋に魔法陣を丁寧に、かつ迅速に描いた。そこに自分の血を数滴垂らす。
「素に銀と鉄—————————」
時南咲楽、聖杯戦争へ。
ピンポーンと、インターホンが鳴った。
「なんだ、こんな時間に。はーい。今出まーす」
ドアを開けた。外に待っていたのは、雨に濡れて露の玉を青みがかった髪に光らせた、時南先輩だった。もう、時間は23時を越えていた。先輩は、俺の顔を見ようとしない。やけに艶やかで、抱きしめたくなるほど儚かった。先輩はずっと俯いてる。
「先輩、こんな時間にどうしたんですか」
「…」
「先輩?あ、外、寒いですよね。あの、宜しければどうぞ、中へ」
「…」
「あの…」
「ごめん。あとで生き返らせるから。君を助けたい」
「先輩…泣いて…」
「まさか、よりによって君だったなんて」
「なんの話…。ん?誰ですか。そいつ…」
「仮死状態にして」
「難しいこと言うなよ。ま、やるけどな」
何かが眼前に…
「があぁぁあぁあああぁああっっっ?!?!??」
目玉が一つ潰れた。
「避けんな。余計危ねえぞ」
誰だ。誰なんだ。一体この男は。痛い痛い痛い。黒い黒い黒い。暗い暗い。暗い。生暖かい。目が、、、
「うわぁぁあああぁああああぁぁあ」
「なんだよ。なんなんだよ。なんなんですか。さっきまで、あんなに、楽しくカラオケしてたのに。なんでそんな、あぁ。やだ。来るな。来るなよ。来ないで」
「情けねえ」
「なんなんだお前」
「悪いが言えねえ。真名は隠すに限るね」
「気狂いが」
どうやったら、どうやったら逃げれる。生きたい。生きたい。生きたい。一体、なんでこんなことに。死んだら呪うぞ。先祖。取り敢えず、
「食らえ」
近くのオブジェクトを男向かって投げた。
「情けねえって」
いとも簡単に粉微塵に壊された。だが、それこそが狙い。投げたオブジェクトは石膏。煙が舞う。一瞬、一瞬時間を。
「無駄だよ」
男は棒のようなものを回して粉煙を霧散させた。
「くっそ」
「まぁ、一旦死んでくれや」
「—————————サーヴァント、みーつけた!!」
「何か来た」
空から象が降ってきた。棒振りが象に潰されまいと棒を突き上げる。棒振りの腕の血管が、筋肉が悲鳴を上げたように隆起する。象の主は高らかに笑ってる。棒振りは歯を食いしばりながら、なんと、象を弾き返した。
「誰!?」
時南先輩が言う。この先だと思い、部屋に逃げ込んだ。あれはダメだ。ダメな部類だ。しょうもない、戦いやらと無縁の人生でさえ分かる。あれらは、出会っちゃだめな側だ。どうにか、どうにか逃げ出せないか。窓から出よう。走る。走る。走る。早く、逃げなきゃ、マジで死ぬ。あれ、俺、足は?俺の左足、、、どこいった。ないないない。やばい。逃げれない。窓に一向に、、、まずいまずいまずい。死ぬ。本当に死ぬ。なんで、なんだ。
「なんでなんだ、先輩」
「君を守りたいの」
「は?守りたくて、これかよ。嘘吐くんじゃねえよ」
「君を殺さないと結城が死ぬ」
「は?何言って」
「私の心は体はもう、私のものじゃない。君を殺さないと結城が死ぬ。君を殺しても、聖杯があればなんとかなる。ただ私は君を凄惨に殺すことしかできない。もし、私が君を殺さなきゃ、君には、確実な、永遠の死が待ち受けてる。こうするしかないの。死んで」
「いや、、、わかんない。わかんない。死んだら、そんな、わかんないだろ。助かるかどうかとかも、あぁ、母ちゃん、、あいつら、、、死んだら、分かんねえ事ばかりだ。怖い。から逃げるっ」
「別に、私のサーヴァントが君を殺す必要はない。私が殺せばいいだけだから」
「サーヴァント…そうだ。サーヴァント。目には目を。もう、どうだっていい、俺を生かしてくれ!」
「馬鹿。説明したでしょう。魔法陣も、聖遺物もないのに召喚なんてできるわけないでしょう。死になさい」
「うるせえええええええ」
何かが、俺の右肩を撃ち抜いた。そのまま土手っ腹にもう一発。
「くそ、、、神様なんて、いねえのかよ…」
やばい。眠く…なってき…
「もう一発」
あー。死…
「——————諦めるのはまだ早いぞ。青年」
なんだ、、、マント?
「まさか…召喚…できたというの。信じられない」
「一旦、この場を去ろう。あまりに分が悪すぎる。ふん!!!」
何かが爆ぜた。と同時、俺はそのマントの男に抱えられ宙を飛んでいた。風で傷が痛む。
「なになになに。今度はなんだよ」
「ははは。面白いやられっぷりだな。さて、質問が一つある。汝が俺のマスターか?」




