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お姉ちゃんが欲しいと思っていたら、俺がお姉ちゃんになったので理想の姉を目指す。  作者: kit
4章 ゴールデンな日々

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57話 そりゃ可愛い格好とかあざとい格好とか!所謂ポージングよ!!

 GW一日目のイベントである桜祭りはあっと言う間に終わってしまいました!連休って本当にすぐ過ぎて行ってしまうねとそんなことを思っている琴音です!!諸行無常!!


 さてやってきました今日はばぁばとのイベントである「着物で歩きましょう会」の日!朝8時にばぁばが家に迎えに来るというので、今日は6時には起きて準備万全な琴音さんだよ!!


 起きるの早いよって?そりゃ早くもなるでしょ!


 君たちぃ、着物着て歩くって中々ないんだぜ?


 いいかい?着物って基本的にはイベント事の際に着るかもしれない程度のものでしかないんだよ。そもそも着物自体安いものではないし、着ること自体がまず難しい。今時一人でも着物着れるよって人はそんなにいないと思うのよ。そんな中で自身のお財布を傷めずに着飾れる機会なんてそうそうないわけで。そしたらさどれだけこの着物を着る会っていうのが貴重なものかわかったのでないかい??んん??


 そりゃさ、昔の私は着物なんて……て思ってましたよ。でもやっぱり大人になると色々な経験がさ、そりゃ得難いものなのさ。特に子供の時なんて、親が、じいばあがお金出してくれて応援してくれるんだよ。大人になってからは自腹切って、かつ少ない時間を調整して……そこの君たちも心当たりがあるのではないかね?

 つまりだね、今できることは何でも取りあえずやっておいて損はないってことだよ!その内この経験がどこかで生きてくるものさ!もしかしたらどこでも役に立たないかもしれないけどね、はっはっは!!


 ていう茶番はおいておいて。


 普通に私自身着物は好きだ。さっきも言った通り昔はそんな好きでもなかったけれど、絵とか描くようになって、いろんなアニメとかマンガとか小説とか、まぁ色々見るようになって、そしたらさ、着物っていいなって思う様になったのよね?

 男でも着流しとかカッコよくない?こう渋いおじさんでも良いし、普通にイケメンな感じの青年でもおk。あ、切れ長の目のクールな青年とか様になるよね!自分がどうだったかはおいておいてさ!

 んで、今私は女の子なわけでさ、自分で言うのもなんだけれど、私は磨けば光るダイヤモンドの原石なんですよね?

 内のママンもおばあちゃまも美人なんですよ。しかもスタイルも良いし、まぁモテるタイプの人間ですね。そんで遺憾ながらもお父さんも世間一般的にはイケメンに属すやつなんですよね、遺憾ながらも。そして私はその二人の遺伝子を受け継いでいるので当然容姿は優れている方なんですよ。

 まぁ?今までは小学生だったしそんな身なりを気にすることはなかったんだけれど、こうして一歩大人の階段を上ったので、気にするようにしたんですよね。そしたらまぁ自分の才能に気付いちゃった的な?


 そんなわけで、その私が着物とか着たら絶対似合うと思うのよね。きっと私の着物姿におばあちゃんもズキュン☆って胸を撃ち抜かれること間違いなし!そしてそれを機におばあちゃんとの距離を縮めて、お母さんとの仲を取り持とうという……なんて完璧な作戦!!完璧すぎてもう絶壁だわ!!!


 ……???


 と言うわけで、私の盛大な計画を遂行するためにはこうして早起きして身だしなみを整え出来る娘アピールしておき、期待に胸を膨らませてあげる必要がある。そして期待通りに可愛らしい姿になって「おばあちゃんありがと♡」なんて言った日にはいちころよね!着物に着られるのではなく、着られてあげるのよ!覚悟しろよな!!


 鏡で今日の琴音ちゃんチェーック!!


 この後着物を着ることも考えて今日はアイロンを使ってゆるふわパーマ!お上品な感じを目指しました!ヤマトナデシコなストレートでも良かったけど、私の雰囲気的には多分パーマつける方が良い。そもくせ毛だしね。ストレートよりは自然な感じがする。


 次にお顔!お顔はしっかり洗顔し化粧水と保湿クリームでケア!10代の肌は無敵なんだけれど、油断すると将来に影響出るからね!大事!!大事よ!!!


 そして琴音ちゃんスマイルの性能チェーック――の前に。


 指差し呼称ー、始めっ!右よし、左よし、上より、下よし、後ろよし、洗面所の外の廊下よし。撮影魔が居ないこと、よし!!!


 鏡の私に向けにぱっ。


 おー、輝いているね輝いているね!今日もばっちりグッドよしよしだね!これならきっとおばあちゃんもイチコロねん!!


 さて、ついでだ。私は少し深呼吸をし落ち着く。


 今回は念入りに指差呼称までして安全確認を行った。しかもまだ朝の7時。普段であれば起きてくることもあるかもしれないぐらいの時間だが、生憎昨日は桜祭りがあってその片付けでクタクタになっている筈。さっきも様子を見てきたけど( ˘ω˘ )こんな顔でグッスリスヤスヤと寝てましたとも。

 なので今は例の邪魔者がいないので、しっかりと確認することができるってわけだ。


 何を確認するって?


 そりゃ可愛い格好とかあざとい格好とか!所謂ポージングよ!!


 いいかい!?


 私はイラスト描くのが好きだ!実は描写されていないけれど、今でも描いてたりするのよ?でだね、イラストを描く上で大事なことってわかるかな?かな?チッチッチッチッ……ピピーッ!はい時間切れぇ!答えは、はい!インスピレーションです!!


 インスピレーションまじ大事よ。これを大切にできないやつはそも創作者にはなれない!それぐらい大事なものよ!!世の神絵師達はこのインスピレーションによって日々尊い作品を世に出し続けているのだ!


 インスピレーションが働くのはどんな時か?それは至る所にあると言える。例えば漫画や小説、アニメやドラマ、映画に舞台だったり。もっと言えば、その辺の日常風景だったり。つま何が言いたいのかと言うと、外部からの刺激で働くと言うこと!何がその人の琴線に触れるかはそれこそそれぞれなので、兎に角外からの刺激、インプットをする必要があるなのよ!


 さて、では私の場合はどうか?


 同じく他所様の作品だったりとかそりゃ色々ですよ。でもその中でもやっぱり、自分自身こそが最近のマイフェイバリット素材である!

 何言ってんだこいつ?って思ってるでしょ。いいかい?私は女の子を描くのが好き。女の子を描く時に意識するのはやっぱり可愛く見えるポーズだ。そしてその素材は何処にあるのか?そう!自分自身ですよ!自分自身を素材に絵を描くのですよ!!

 前世?でも自分でポージングして写真に撮って素材にしてたりしたけれど、やっぱりそこに写るのは男なんですよね。骨格とかゴツゴツしてんじゃん?脳内フィルター掛けて見るとはいえ、やっぱり違うんですよ。

 でも、そこで私は今女の子。女の子が可愛いポーズするのは自然な事なんですよ。するとどうなるか?インスピレーションが働くんですよ!つまりそういう事なんですよ!!!


 ……????


 まぁ何はともあれ、ちょうど良いので今の私でちょっくらポージングでも――。


「っ!」


 ゾワゾワとした感覚に全身が総毛立つ。私はこりゃあかんと今まさに始めようとしていたポージング大会を一時中断する。

 私の勘がね、言ってるんですよ。今は待て、と。まだその時ではないと。今やるとヤラれるぞと警告しているんですよ、そう、琴音ソナーがね!


 私は再度洗面所外の廊下を覗き見る。


 ジーッ……。


 10秒、20秒、30秒……たっぷりと時間を使って注意深く観察するが、特に変わった様子は見られない。


「……気のせいか」


 どうやら私の勘は外れたようだ。てっきり廊下にはうちのママンが居て、例の如く隠し撮りでもしているんじゃ?と思っていたのだけれど……流石に昨日の今日。疲れて寝ていることもあってこんな朝早くに起きることは無さそうだ。ふむ、これなら安心して続きができるかな?


「……念のためドア閉めとこ」


 念には念をと言うことで洗面所のドアを閉めておく。引き戸ではあるが、流石にドアを開ける時は音が鳴るのでこっそりやられているということも無いだろう。ていうかないはず。ないと信じたい。


 さて、準備も整ったことだし始めるぞ!


 まずは腰に手を当て人差し指を頬に当ててみる!うん!あざとい!そしてその流れのまま今度は指でハートを二つ作って顔の横に添えてみる!いいね!!やっぱ素材がいいと可愛くなるもんだ!!これは次のイラストがはかどるね!!


 と言うことで、始めるとこれがまた楽しいんだ!何か読者モデルとかの気持ちが少しわかった気がする!!


 この後、めっちゃポーズ取って脳内書庫に保存した。
















「行ってきまーす!」


 琴音の元気な声が玄関から聞こえ、ドアが閉まる音がした。

 そこであたしはむくりと起き上がりベッドから出る。ベッドから出るついでに旦那のほっぺに手をすりすりする。うん、髭。

 謎に自身の手を傷付けたあたしは洗面所へ直行し棚に置いてある温泉用籠の中にタオルと共に隠されていたビデオカメラを取り出す。


「琴音よ……おぬしもまだまだのようだな」


 うんうん、めっちゃいい感じに動画が撮れているね。こりゃ素晴らしい。素晴らし過ぎて、もう鈴木。


 ……?


 この後めっちゃ動画編集して可愛いところを切り抜いて琴音フォルダに保存した!!

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