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ミシェルが用意してくれた馬車に乗って、国の外へ出た。
馬車に揺られながら窓から外を見ると、緑は一つもなく、荒野が広がっている。
人間は王国を中心に住んでいるが、王国を出ればたちまち悪魔達が徘徊する荒野に変貌する。
だが、貿易や王国への道は白魔法で結界が張られ、浄化されている為、悪魔は襲ってくる事ができない。
5000年も前の悪魔と人間の戦争によってこうなってしまったらしい。
その戦争で人間が悪魔への対抗手段として作ったのが白魔法だ。
「『聖魔契約』を結ぶと、自分の魔力が上がるというメリットもある。早く契約する相手を見つけるぞ」
「うん。そういえばミシェルはアスモダイとどこで出会ったの ? 」
私がそう訊くと、ミシェルはどこか遠い目をして懐かしそうに笑った。
「私達か ? 私達はアロスの町で任務途中に出会った。その時体に電流のようなものが走った気分になってな。すぐに私はアスモダイと契約を結んだ」
「……半ばこいつが強引にだけどな」
苦笑いを浮かべながらアスモダイは窓の外を見た。
「……おい。この近くいつも通る時に思うんだが、物凄い力を感じる」
少し表情を引き締めたアスモダイ。
「じゃあとりあえず降りてみるか。もしかしたらライラの相手も見つかるかもしれんしな」
「わかった、ここで降りるの ? 」
「ああ。馬車を止めてくれ。ここで降りる」
ミシェルが声をかけると、馬車の揺れが止まった。
馬車から降りて辺りを見回すと、ここはどうやら湖らしい。
不気味な銅像が湖の四方に置かれている。
「ここはアロスの町人の聖地だ。あの銅像が喋るとか何とか言っていた。だから崇めているらしい」
「へー、銅像が喋るんだ。ていうかここ……何か負の空気に満ちてない ? 」
私とて一応魔導師の端くれだ。
普通の人間が感じられない事を感じられる。
「ああ。警戒を解くんじゃないぞ。襲われたら白魔法で応戦しろ。出来る限り私達が護るが」
ミシェルの言葉に私は頷いた。
「わかった。じゃあ契約相手探そっか」
「そうだ、アスモダイ。ライラに守護魔をつけてやったらどうだ ? そしたらライラ一人でも大丈夫だろう」
「使い魔を出せってか ? ほら」
アスモダイの手が赤く輝き、大きな赤い鳥のようなものが出現した。
「わっ、凄い ! 可愛い ! この子貸してくれるの ? 」
私が守護魔を撫でながら訊くと、アスモダイは軽く頷いた。
「それじゃ、探索してくる」
私は手を振りながら二人から離れていった。
「……お前の言ってた物凄い力に心当たりでもあるのか ? 」
ミシェルが訊くと、アスモダイは苦虫を噛み潰したような表情になる。
「……いや」




