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ソロモンの雫と古の戦軍神  作者: 泡沫華火
序幕
3/9

3

ミシェルが用意してくれた馬車に乗って、国の外へ出た。

馬車に揺られながら窓から外を見ると、緑は一つもなく、荒野が広がっている。

人間は王国を中心に住んでいるが、王国を出ればたちまち悪魔達が徘徊する荒野に変貌する。

だが、貿易や王国への道は白魔法で結界が張られ、浄化されている為、悪魔は襲ってくる事ができない。

5000年も前の悪魔と人間の戦争によってこうなってしまったらしい。

その戦争で人間が悪魔への対抗手段として作ったのが白魔法だ。

「『聖魔契約』を結ぶと、自分の魔力が上がるというメリットもある。早く契約する相手を見つけるぞ」

「うん。そういえばミシェルはアスモダイとどこで出会ったの ? 」

私がそう訊くと、ミシェルはどこか遠い目をして懐かしそうに笑った。

「私達か ? 私達はアロスの町で任務途中に出会った。その時体に電流のようなものが走った気分になってな。すぐに私はアスモダイと契約を結んだ」

「……半ばこいつが強引にだけどな」

苦笑いを浮かべながらアスモダイは窓の外を見た。

「……おい。この近くいつも通る時に思うんだが、物凄い力を感じる」

少し表情を引き締めたアスモダイ。

「じゃあとりあえず降りてみるか。もしかしたらライラの相手も見つかるかもしれんしな」

「わかった、ここで降りるの ? 」

「ああ。馬車を止めてくれ。ここで降りる」

ミシェルが声をかけると、馬車の揺れが止まった。


馬車から降りて辺りを見回すと、ここはどうやら湖らしい。

不気味な銅像が湖の四方に置かれている。

「ここはアロスの町人の聖地だ。あの銅像が喋るとか何とか言っていた。だから崇めているらしい」

「へー、銅像が喋るんだ。ていうかここ……何か負の空気に満ちてない ? 」

私とて一応魔導師の端くれだ。

普通の人間が感じられない事を感じられる。

「ああ。警戒を解くんじゃないぞ。襲われたら白魔法で応戦しろ。出来る限り私達が護るが」

ミシェルの言葉に私は頷いた。

「わかった。じゃあ契約相手探そっか」

「そうだ、アスモダイ。ライラに守護魔をつけてやったらどうだ ? そしたらライラ一人でも大丈夫だろう」

「使い魔を出せってか ? ほら」

アスモダイの手が赤く輝き、大きな赤い鳥のようなものが出現した。

「わっ、凄い ! 可愛い ! この子貸してくれるの ? 」

私が守護魔を撫でながら訊くと、アスモダイは軽く頷いた。

「それじゃ、探索してくる」

私は手を振りながら二人から離れていった。


「……お前の言ってた物凄い力に心当たりでもあるのか ? 」

ミシェルが訊くと、アスモダイは苦虫を噛み潰したような表情になる。

「……いや」


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