深夜3時からの怪しい行列
夜勤のコンビニアルバイトを始めて、もう数年になります。
普段の深夜帯はかなり静かで、清掃や品出しをしながら、たまに来るタクシー運転手や夜勤明けの人を接客するくらいです。
ところが、ポケモンカードの新弾発売日だけは雰囲気が一変します。
その日も深夜に働いていました。
午前3時近いあたりから、店の前に人が集まり始めたのです。
私(なんか、店の前にゾロゾロ集まり出したぞ……)
若い男性、学生らしい二人組、スーツ姿の人など、気づけば7〜8人が静かに列を作っていました。
誰も騒がないのに、妙な緊張感があって、まるで深夜のイベント会場のようでしたね。
今回の入荷は約6箱。
店長からは「販売開始は朝7時厳守。購入制限を守ること」と言われていました。
3時、4時と時間が過ぎても人は去らず。
むしろ増えていきます。
並んでいる人たちは、ときどきトイレを借りたり、缶コーヒーを買ったりしながら朝を待っていました。
そして7時。
販売開始を告げると、並んでいた人たちが静かに店内へ入ってきました。
誰も慌てず、必要最低限の会話だけで次々と会計を済ませていったのです。
気づけば、約6箱あったポケモンカードは完売。
時計を見ると、販売開始からわずか5分ほどしか経っていませんでした。
さっきまでの熱気が嘘のように店内は再び静かになりました。
空になった陳列スペースを見ながら、私は思わず笑ってしまいました。
一人あたりの購入数の制限があるのに、この状況は……もし制限が無かったら大騒動になっていたでしょう。
「夜勤なのに、深夜の限定商品イベント会場みたいだったな」
普段は静かなコンビニだからこそ、こういう突然の非日常が妙に面白いです(笑)




