フラグ立てるから・・・
お久しぶりの更新です。
「さて、ユリーナさん。貴女とまともに戦うつもりはありませんよ?」
「でしょうね。貴方は良くて上級のヴァンパイアでしょう。キングにはとても及ばないわ。」
ヴァンパイアはユリーナに話しかけると共に魔力を高める。
そんなヴァンパイアを余裕を保って見つめるユリーナ。
ヴァンパイアの強さの位には段階があり、それを人間は下級、中級、上級、特級と分けていた。
其々クラスが上がる毎に強さが跳ね上がるが、ユリーナが過去に討伐したヴァンパイア・キングはこの特級さえも凌ぎ、その強さは破格のものであった。
そんなキングを倒したユリーナにとって上級のヴァンパイアは油断していても遅れを取る事などあり得ない相手だったのだが、ユリーナは油断なく目の前のヴァンパイアを観察していた。
「流石に無策なんて事はないでしょう?」
「ククク・・・」
不敵に笑うヴァンパイア。
「『黒霧』」
ポツリとヴァンパイアが呟くと同時に辺りを黒い霧が覆う。
「ククククク!ヴァンパイアが一体、黒霧のナノライト!参る!!」
「そう。ナノライトさんと言うの。改めて、ユリーナ=ヘル=ファングボルト。お相手するわ!」
こうして、ユリーナとヴァンパイア、ナノライトの戦いは執事、ダニエルが見守る中、静かに始まったーーーー
一方その頃、セインは・・・
「あにゃ〜〜・・・・」
「セイン様、美味しいですか?」
「あい!」
食べ損なったプリンを堪能していた!
普通のサイズのプリンだけど、幼児の俺からすれば充分大きい!
大人がジャンボプリン食べてるような気分だ!
なんて贅沢!!
これから俺は好物はプリンにする!
スプーンを小さな手で操り、口に運び続けるセイン。
それを見ている周りの者達は・・・
「こうして見てるとただの幼児だな・・・」
「ああ、こんな幼児がさっきの竜巻を出したのか?」
「はっきり言って上級の風魔法にも匹敵していましたよ?」
「セイン様、可愛い!!」
と、非常識な行動をする1歳の幼児を遠巻きに観察していた。
周りがそんな風にセインの話題で持ちきりになっている事には気付かずにセインはプリンを平らげた。
「ケプ・・・にょちちょうちゃま!(ご馳走様!)」
パン!と手を合わせ、ご馳走様をする。
「ふふふ!セイン様、口元ふきふきしますよ〜?」
ターニャがプリンで汚れた口元を拭ってくれた。
「おう、坊ちゃん・・・いや、セイン様。満足したかい?」
「あう!!」
「ははは!セイン様は美味そうに食ってくれるから作り甲斐がありそうだな!また作るからな!」
「にゃあああああ!!」
ゴールがまた作ってくれると言ってくれた!!
嬉しくて俺は思わず天に向かって手を振り上げ、雄叫びを上げてしまった。
「癒されるわね〜〜」
「本当、ファングボルト家のお子様は美形揃いですけど、セイン様は可愛いわ〜〜」
「セイン様の可愛さは世界一です!」
その様子を見ていたメイド達はすっかりセインの可愛さに取り込まれていた。
ひゅううううううーーーーーーー・・・・・
「「「「ん?」」」」
そんな風に過ごしていると、空から何か聞こえて来て、その場に居た人が空を見上げる。
ううううーーーー・・・・・ドゴンッ!!!!
すると、何やら黒い影が空から降って来て広場の中央に落ちた!!
「なんだ!?」
「おいおい!!」
「こいつは・・・」
立ち上がった土埃が晴れると、そこには人影があった。
「さ、さっきの!?」
「い、生きてるのか?」
「いや、ボロボロだけど・・・」
冒険者が恐る恐る近づいて確認している。
服はボロボロだけど、さっきプリンをダメにした人かな?
「あうあ!!」
「え!?」
「セイン様!?」
チュドム!!!!
ドゴーーーーーーーーーーーーンッ!!!!!!
「「「「「「・・・・・・・・・」」」」」」
しーーーーーーーーーん・・・・・
「あう〜〜〜〜・・・」
ふうーっと息を吐き出して額を拭う。
え?何をしたかって?
フラグをへし折りに行きましたけど?
だって、さっき冒険者が生きてるのか?って言ったでしょ?
そんな生きてますフラグ立てるからトドメを刺しに行きました!
正確に言うと爆発させました!!
プリンの恨みはまだ晴れていないぞ・・・
「おいおい・・・」
「いや、敵なんだがな・・・」
「おう。敵とはいえ・・・」
ヒソヒソヒソヒソ・・・・
ん?なんか遠巻きにされてる?
「セ、セイン様?い、今のは?」
ターニャが恐る恐る近づいてくる。
どうしたの?
「敵とはいえ、あんなボロボロの奴に躊躇いなく爆裂魔法で吹き飛ばしたぞ?」
「ああ。あんな酷い事出来るか?」
「流石に敵と言えども無残だな・・・」
ヒソヒソと話してる内容が聞こえて来る。
ええと、やり過ぎた?
けどけど、敵なんだよね!?
やっていいでしょ?
え?幼児がやる行動じゃないって?
「あにゃ♪」
ニパーーーーーーー⭐︎
よし、笑って誤魔化そう!!
ドガーーーンッーーーー!!!!!
「「「「!!!???」」」」
俺が愛想笑いで誤魔化そうとしていると、爆発音がした!
皆んながその音のところを振り返る。
ガラガラッーーーーー
小石が飛び散り、爆煙が晴れるとそこには人影があった。
「ク、ククククク・・・・こ、此処まですき勝手にやられるとは・・・英雄が不在の中でも相当な使い手が守りについていたようだな?」
ボロボロの服、俯いた顔、そして底冷えするような声。
周りがその不気味な気配に呑まれる中、その人はゆっくりと顔を上げながら続ける。
「我の死んだ振りも見破り、追撃して来るとは・・・中々どうして。その冷酷無比な判断には称賛を贈りたい!皆さん!どの方がこの素晴らしい攻撃をしたのですか?教えてください!!」
なんかめっちゃキラキラした目で称賛されましたけど?
「「「「「・・・・・・」」」」」
周りが静まり返り、そして、混乱する中、皆んなの気持ちが一つになったかのように皆さんの手が動いた。
「「「「コイツです!!!」」」」
ビシッと指差される俺。
おいおい、幼児を売りに出すとは中々愉快な人々ですな?
良かろう。その心意気に免じて挨拶しようじゃないか!!
「あい!」
「は?」
ノリに合わせて元気に返事をすると、目を点にした男と目が合う。
「「・・・・・」」
パチパチと瞬きする男。
ニコニコニコ⭐︎
俺は笑顔を絶やさず見つめる。
するとこの男は俺を指差して周りの人達に目線を向けると「コイツが?」というジェスチャーで確認を取る。
皆んなは諦めたように頷く。
「あい!!」
俺はアピールすると、男は目を瞑り、なにかを考え込んだかと思うと、カッっと目を見開き、俺を指差しながら周りに向かってこう言ったんだ。
「こ、こんな幼児がわ、我にダメージを与えたんですか!!??しかも、残酷な追い討ちを行ったとでも!!!!???皆さん我を謀ってませんか!?」
「「「「「いや、その子供が犯人です。」」」」」
「ええええええええええええええ!!!!????」
そうしてその男はこう言ったんだ。
「に、人間の子供、お、恐るべし!!」
周りがその言葉に頷く中、俺は1人別の事を考えていた。
物凄く息があった掛け合いをしてますけど、この人敵だよね?
という事はーーーーー
今のうちに殺っちゃう?
ニヤリーーーーー
ピコーン
『セイン君。どっちが敵か判らない笑顔ですよ!?』
誰も突っ込みを入れない中、神様が突っ込みを入れて来ましたとさーーーー
そして、そんなセインの母親であるユリーナはというとーーーー
ガシャンッ!!!
「あら?」
「ククククク!油断しましたね?」
「!?ユリーナ様!!」
ジャラーーーー
「参ったわね。これ魔導具かしら?」
「ククククク!!我等がヴァンパイアが秘宝『魔封じの腕輪』!!貴方の魔力は封じましたよ!?」
「なんと!?」
黒霧の中でどうなったのか、
その手に手錠を嵌められていたーーーーー
皆様、大変な時期ですが少しでも楽しんでいただければと思い更新します。
また、明日も更新の準備をしておりますので、少しでも面白いと思って頂けると幸いかと存じます。




