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最強の魔王が異世界に転移したので冒険者ギルドに所属してみました。  作者: 羽海汐遠
原初の魔族達の暗躍編

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2393.大魔王レキの目的

 このレキの魔王城のに集った呪法師たちは、その数にして十数人程である。


 一見して多いように見えるが、実際はあらゆる世界から集められているという事を踏まえると、異常に多いという程でもない。


 レキが『煌聖の教団(こうせいきょうだん)』の残党だった者達に出した指示は、あらゆる世界の『呪法師』を集めてくるという事だけであり、戦力値や魔力値に優れている者に限るというわけでもない為、この場に居る者の中には戦力値が百万にすら届いていない者も居る。


 つまりレキは呪法師たち自身の強さではなく、呪法師たちの持つ『能力』を最優先に集めようとしているのであった。


 その理由としては、すでに現在のレキは自分一人だけしか居ないという状態ではなく、かつての彼の右腕であったエグゼや、シェイディ達のような『魔神級』を動かせる立場に居るからである。


 現在のレキは大魔王ソフィが居る『リラリオ』の世界を強引に攻め込む程の戦力程はないとはいえ、かつてあらゆる世界を束ねていた『煌聖の教団』の大魔王の軍勢より、たった数体しか居ない今のレキの勢力の方が圧倒的に上なのだった。


 今のレキは中途半端な強さの仲間の確保より、自身の『梗桎梏病』を消し去る程の『魔』の概念技法を持つ者の確保が最優先と考えているのであった。


 そんな中でも彼の優先順位の一番上にくるものは、自身の『梗桎梏病』を打ち消す程の『呪法』の持ち主であるが、その次は間違いなく彼の時代の仲間達の目を覚まさせる事だろう。


 ()()()()という()()()()ではあるが、最優先で蘇らせる事が出来た呪法師の『包帯男』は流石『魔神級』と言わざるを得ないが、それでも彼ほどの『呪法師』であっても、あくまで元々から仮死状態のまま、何千年も自身の能力を用いて生き永らえてきた『エグゼ』だからこそ、ここまでの復帰を可能とする事が出来たのだ。


 それも『呪法』というものは厄介な代物であり、単に打ち消す『呪法』であっても、対象者の状態によっては修復の割合が変わってくるものなのである。


 そもそもが『呪法』は他者を蘇らせるために扱われるものではなく、本来であればその真逆と呼べるような、憎むべき相手に憎悪を『力』に変えてぶつける事を目的とするものなのである。


 それを世の『(ことわり)』を捻じ曲げるかのような使い方で、強引に現世へと死者を蘇らせようというのだから、そんな事を可能とする『呪法師』をなかなか見つける事が出来ないのは、至極当然の事だと言えるのだった。


 しかしレキは、それを理解した上で『包帯男』を上回る程の『力』を持った『呪法師』を求めているのであった。


 大魔王レキはこの場に集められた『呪法師』たちをその目で見据えながら、自身が奪ったこの『大賢者』の身体の元の持ち主の事を思い浮かべ始める。


(この身体の本来の持ち主は非常に惜しい力を持った奴だった。魂さえあれば何度でも蘇らせる事を可能とするみたいだが、その魂すらも永続的に身体に留まらせる事が可能だったなら、エグゼを上回る能力者として最高の身体だと言えたのだがな……)


 もし今レキが考えた通りの事が行える能力者が存在しているならば、今頃幽世界はとんでもない事になっていたであろう。


 ――そして更にこの大魔王レキが『死神』の存在を知っていたならば、今頃は『呪法師』集めではなく『死神』と契約を交わせる者、もしくは『死神』そのものを自分の支配に置こうと動き出していたであろう。


 もしもの話になってしまうが、過去に大魔王レキを世界に危機を齎す『敵』と断定した相手が『魔神』ではなく『死神』であったとすれば、今頃は大魔王レキも魂を司る『神々』の存在を知る事となり、もっと厄介な事になっていたかもしれなかった。


 だが、その場合は『死神』では大魔王レキを殺しきる事が出来なかった可能性が高く、結局は『魔神』が世界の調停の為に動きだしていた事は間違いないであろう。


 ――ただ、彼が今呪法師として狙っている『フルーフ』が契約を行っているのが『死神皇』であり、そのフルーフと戦おうとしている大魔王もまた『死神貴族』にして『魂』を扱う存在なのだ。


 大魔王レキがこの真相を知る事になった時、色々とソフィやヌー達にとって面倒事が増える事は、間違いがないであろう。


 ……

 ……

 ……

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