第一回イベント⑦
「・・・見つかんない!」
遺跡から出た後、暫く森の中を彷徨ったり、森の近くの平原に出たりした。
最初のうちは時々遭遇するプレイヤーを倒していたが、それを繰り返して暫くすれば、見つからなくなってきた。
「もしかして、他のプレイヤーは全員狩っちゃった?」
取り敢えず予想してみるが、そんな有り得ない荒唐無稽な予想に、自分自身でも「無いな」と、即座に否定した。
「さて、本当に一体何処に居る?」
僕が呟きながら周囲を見渡すと、草むらから僕よりも年下であろう少年達が飛び出してきた。
「よっしゃあっ!弱そうなプレイヤーを見つけたぜ!」
「・・・ってか、かなり可愛い子じゃ無い?」
「それに僕らと同じぐらいの子だろうし・・・」
「・・・確かに」
一人は僕を見た途端に勝った気になり、他の二人は僕のアバターに見惚れた。
「・・・これ、ゲームだから容姿は好きな様に弄れるよ?」
「「「そうだった!!」」」
僕がそう教えると、三人は驚いた顔をして同時に叫んだ。
「こんにゃろー!俺たちの純情を弄びやがって!!」
「そうだそうだー!!」
「・・・けど、性別は弄れ無いんじゃなかったっけ?」
「・・・だったら、女?」
「いや、もしかしたら男の娘かも知んないぞ!!」
・・・どうやら、愉快な子達らしい。
「けど、今は敵同士だからね。・・・召喚『ホクト』」
「「「・・・へ?」」」
俺は三人の不意を突き、ホクトを召喚した。
「ぐぎょおおおおっ!」
「「「熊だーーーっ!!!!」」」
ホクトの雄叫びに驚き、腰を抜かす少年達。ホクトはそれを意に介さず、その剛腕を一振りして少年達を吹き飛ばした。
「かーらーのー・・・『ファイアバレット』、『ファイアバレット』、『ファイアバレット』!!」
三連続で唱えた魔法により、少年達のHPは全て削れ、その身体はポリゴンのかけらとなって消えて行った。
「・・・虚しい勝利さ」
少し格好付けて呟いてみたがそれを見ていたのはホクトだけだった。そのホクトも首を傾げる。・・・少し、いや、かなり恥ずかしい!!
僕が自分の行動に悶えていると、イベントが始まる前にも聞いたチャイム音がピンポンパンポーン、と響いた。
『どうも!イベント開始時にも登場した、『フリーダムマーセナリーライフ』のプログラマーで、NPCのAI周り担当の三浦梢です!』
『同じく『フリーダムマーセナリーライフ』のスキル関連の担当プログラマー。竹中慎吾だ。』
おや、この二人が現れるとはどうしたのだろうか?
僕が不思議に思って首を傾げると、直ぐに答えがもたらされた。
『いや、俺達の予想ではもう少しばかりかかると思っていたんだが・・・』
『参加プレイヤーが一人になった為、第一回イベントは終了となります!』
「・・・え?」
アナウンスの内容に僕は思わず疑問符を浮かべた。
そんな僕を置いて、アナウンスは続く。
『第一回イベントの総合ランキング第三位は・・・。プレイヤー『マルコフ』さん!』
『そして、第二位は・・・。プレイヤー『ザール』さん!』
そして、アナウンスは決定的な言葉を発するのだった。
『そしてぇぇっ!!映えある第一回イベントの優勝者は・・・。プレイヤー『ルクス』です!』
『ルクスさんには、景品として、称号『イベント優勝者(第一回)』と、賞金の50000G、そして記念品の金メダルでーす!』
>称号『イベント優勝者(第一回)』を入手しました。
>運営から50000Gが贈られました。
>運営から金メダルが贈られました。
・・・どうやら僕がガチで優勝したようです。
次で第一回イベント編は多分最後です。




